《 アトリエ賃貸推進プロジェクト 》Vol.041

「アトリエ賃貸推進プロジェクト」Vol.037でご紹介した池袋の元・製本工場ビルを再募集します~製本工場と同レベルの音出し可。再改装歓迎!

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Vol.037でご紹介した「大野ビル」を再募集することになりました

「大野ビル」の外観

東京都豊島区池袋本町二丁目にある「大野ビル」について、昨年(2024年)12月、「製本工場として使われていた池袋のビルをアトリエとして借りてくださる方、募集中!~製本工場と同レベルの音出し可。リフト付き&DIY大歓迎のアトリエ賃貸物件」というタイトルで利用者を募集しました。
その現地説明会には11名の方がお越しくださり、そのうち6名の方が入居申込みをしてくださるという反響ぶりで、お申込みくださった方には「現在、どのような活動をされているか」、「『大野ビル』をどのように活用したいか」、「お家賃はいくらまで出すことが可能か?(※注:最低家賃を15万円としていました)」の3点についてプレゼンをしていただきました。
入居が決まったのは映像制作会社で、プレゼンでは「自社のオフィスとしつつ、同時に若手クリエイターのコワーキングスペースとして活用したい」と語られ、「多くの作家さんたちの育成につながりそう」などの理由でオーナーさんが選ばれました。
映像制作会社さんは賃貸借契約締結後、数百万円の費用をかけて内装工事を実施されましたが、工事期間中、代表者の方が大病を患われ、今夏、お亡くなりになってしまいました。
その後、代表者と志をともにするクリエイターの方たちが、代表者の想いを継いで活動することを検討してくださいましたが、最終的にはお家賃を支払いながらコワーキングスペースを運営していくことは難しいと判断され、2025年11月末で解約されることになりました。
オーナーさんも私も非常に残念でなりませんでしたが、亡くなられた代表者のご遺族や若いクリエイターさんたちが深手を負ってしまうことは避けるべきだと思い、解約の申し出を受理しました。
内装工事はほぼ完了していましたが、「原状回復は原則なし」とする賃貸借契約を締結していたため、家具や機材等を搬出していただき、入居くださる方を再募集することにいたしました。
今回掲載する写真は、映像制作会社の代表者のご遺族に許可をいただき、ご入居期間中(家具や機材を搬出する前)に撮影したものです。
搬出後、どのような状態になるのか、現時点では皆様の想像力を駆使していただくほかありませんが、本記事ではまず、映像制作会社さんがどのような内装工事をされたのかをご紹介します。
次に借りてくださる方は、この状態が「原状」となり、再び変えていただくことができますが、使えると判断されたところはそのまま使うこともできます。
それではさっそく内装工事後の状態をご紹介します。

内装工事完了後の「大野ビル」

 

はじめに1階をご覧いただきます。
映像制作会社さんは1階を若手クリエイターたちが集う場として改装されました。
元々の状態では3箇所あるシャッターを開けば、外と直接通じていましたが、そのシャッターのうち2箇所は壁で塞がれました。搬入・搬出できるシャッターは1箇所だけ残され、音漏れを最小限にすることを優先されたかたちです。

1階の奥にはカウンターが設けられた

1階の奥にはカウンターが設けられました。
映像制作会社さんは月1回ペースで、クリエイターが自由に参加できるパーティーを開催する計画を立てていて、これまでにも数度開催されましたが、このカウンターではドリンクが提供されていました。

1階に新たにつくられたトイレ

リフトの左側にあった空きスペースにはトイレが新設されました。
元の「大野ビル」はトイレが2階にひとつだけだったので、たくさんのクリエイターが集うにはもうひとつぐらいは必要という判断です。

小上がりスペースは拡張され、フローリングが敷かれた

1階の左奥には、10cmほどの高さの小上がりスペースがありましたが、それを拡張したあとフローリングを敷き、応接スペースとなりました。

「大野ビル」1階の改装プラン

その他、壁は新設された部分も含めグレーに塗装され、天井にはダクトレールが設置され、落ち着いた雰囲気の内装になっています。
床の多くは元々の土間のままとなっています。
壁を解体するのには少々費用がかかりそうですが、塗装をし直すだけでも雰囲気はずいぶんと変わってくるのではないかと思います。

リフトはそのまま利用できる

元からあったリフトは、映像制作会社さんも内装工事の際に利用されていました。
ただ、利用を継続するためにはメンテナンス会社と保守契約をしていただく必要があるので、そのコストの負担が厳しい方は、利用をとりやめていただけたらと思います。

 

続いて2階をご案内します。
2階は製本工場当時も事務室でしたが、映像制作会社さんも事務室として内装工事をされました。
床全体にタイルカーペットを敷き、壁はグレーに塗装されましたが(一部レッドに塗られた壁面あり)、漆喰を塗った箇所もあります。

2階の一部は収納スペースとなっている

2階の一部は映像機材等の収納スペースになっています。
収納棚はご解約の際、撤去されますので、皆様にご覧いただくときにはガランとした空間になっているかと思います。

作り変えられたキッチン

オーナーが使用されていたキッチンは撤去され、カウンターと洗面台を用いたキッチンが新たにつくられました。

「大野ビル」2階の改装プラン

そのほか事務所スペースの照明器具はダクトレールに変更されていますが、2階は全体として美装されただけという印象です。

 

3階は防音仕様とした映像編集室とコワーキングスペースに改装されました。

映像編集室は防音仕様となっている

入ってすぐ右側には、壁を新設し映像編集室がつくられました。
この部屋は壁が防音仕様となっています。

防音壁と防音扉

防音扉もかなりしっかりとしたものになっています(内装工事会社さんは「この防音扉は60万円ぐらいするもの」とおっしゃっていました)。映像編集することをメインに考えられていましたが、ミュージシャンに使っていただくことも想定していたとのことです。

「大野ビル」2階の改装プラン

3階はエアコンも新設されていて、それもそのまま残していただくことになっています。
そのほか階段室は壁がブラックに塗装され、照明器具もLEDに替えられています。
また、4階はオーナーの倉庫となっていて、それは次回も同様となります(賃借部分は1階から3階までです)。

内装工事をやり直せます

ここまで前借主である映像制作会社が行った改装工事についてご紹介しました。
今回、新たに借りてくださる方には、現在の状態(家具や機材が撤去された状態)を原状とし、ご自身で使いやすいように改装工事をすることを歓迎します。
どのような改装工事を行いたいのか事前に申請いただき、オーナーさんが承諾したものは次回も原状回復は不要となります(ややこしいですが、現在の状態に戻さなくていいという意味です)。
コストはご負担いただきますが、たとえば製本工場当時の状態近くまで戻してしまうことも可能なので、このあと開催する現地説明会の場で、どのような改装を行いたいか、じっくり検討していただければと思います。

大野ビルの立地

大野ビルMAP

最期に「大野ビル」の立地をあらためてご紹介しておきます。
最寄り駅は徒歩11分の距離にある東武東上線「北池袋」駅ですが、「池袋」駅までも徒歩17分なので、十分歩いていける範囲です。ちなみに自転車を使えば「池袋」には4分で着きます。
前回もご案内しましたが、池袋は東京都が策定した未来の東京戦略で「国際アート・カルチャー都市」と位置づけられた街。「池袋」駅の西口地区は「芸術文化の街づくり」をコンセプトに再開発が進められていて、3棟建てられる高層ビルにはアーティストのために育成支援や情報発信の施設が設けられる予定です。
「大野ビル」はこの再開発エリアからもほど近く、ここに制作活動の拠点を設けることは大きなメリットとなると思います。
「大野ビル」から歩いて2分ほどのところに「ドン・キホーテ」があるので、制作活動をされる方にとっては何かと便利。
「大野ビル」で寝泊まりすることもNGとはしておらず、その場合は歩いて4分の場所にある「前田湯」を利用していただけたらと思います。

現地説明会を開催します

1階室内に置かれている家具や機材はこのあと撤去される予定

今回の募集ですが、現在の賃貸借契約は2025年11月末で解約となるため、そのあとすぐにでも現地説明会を開催したいと考えています。
前回の最低賃料は15万円としておりましたが、1階にトイレが増設されたり、床・壁・天井はとてもきれいになったりしたので、それを加味して今回の最低賃料は16万円とさせていただくことにしました。
その他詳細は現地説明会でお伝えしたいと思います。
現地説明会に参加をご希望くださる方は、下記のメールバナーを使ってお申込みください。
締め切りは2025年11月21日(金)とさせていただきます。
製本工場当時と同レベルであれば音出しも可能という貴重なアトリエ賃貸物件ですので、是非現地をご覧いただければと思います。

文:久保田大介

  • この記事を書いた人

久保田 大介

『ワクワク賃貸®』編集長。有限会社PM工房社・代表取締役。 個性的なコンセプトを持った賃貸物件の新築やリノベーションのコンサルティングを柱に事業を展開している。 2018年1月より本ウェブマガジンの発行を開始。 夢はオーナーさん、入居者さん、管理会社のスタッフさんたちがしあわせな気持ちで関わっていけるコンセプト賃貸を日本中にたくさん誕生させていくこと。

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