《 ワクワク賃貸妄想中 》Vol.006

ウサギを安心して飼える賃貸住宅

投稿日:2018年6月14日 更新日:

少し前の話になるが、男3人で飲んでいるとき、ひとりが「今、家でウサギを飼ってるんです」と言い出した。

するともうひとりが「僕も子どものころ飼ってましたよ!」と言ったので驚いた。

なぜなら僕も昔、ウサギを飼っていたことがあったからである。

イヌやネコならいざ知らず、ウサギの飼育経験がある率100%の集まりなんて奇跡だ!ということで、その日はウサギ話で大いに盛り上がった。

ちなみにこれが僕が小学校低学年のころ飼っていたウサギだ。

「みんみ」という名前をつけ大切に育てたが、えさを食べさせすぎたのが悪かったか、ぶくぶく太ってしまい、このあとこのウサギ小屋と同じぐらいの大きさになってしまった。

「いくら何でも大げさでしょう?!」とよく言われるが、小屋に入れたらほとんど隙間がなかったのだから間違いない。

それはさておき、ウサギってこんなにかわいいのに、ブームになるほど飼育者が多くはならない。

なぜなんだろう?と酒席をともにした現役の飼育者に訊ねたら、「うちの子はあんまり該当しないんですけどね」と前置きしたうえで、理由を列挙してくれた。

〇その1:体毛が抜け、部屋を舞う
〇その2:歯が伸び続けるので、壁や柱をガリガリかじる
〇その3:あっちこっちでおしっこやフンをする
〇その4:よく病気をするが、体調が悪いのをアピールしてくれないからわかりづらい

話を聞いてるうちに飼っていた当時のことを思い出してきたが、確かにみんみも壁や柱はよくかじったし、豆ころみたいなうんちを部屋中あちらこちらでするもんだから、拾って歩くのはなかなか骨だった。

体毛が抜けるのはあまり記憶がないけれど、掃除をする母はきっと大変だっただろう。

あと、「とても寂しがり屋で、旅行に行きづらい」なんて話も聞くが、うちのみんみも3日間、家族旅行している間に死んでしまった。

帰ってきたらぐったり動かなくなっていて、泣きながら庭に大きな穴を掘って埋めたことをよく覚えている。

つまり、ウサギは飼うのがけっこう大変な動物なのだ。

管理会社の立場で言うと、賃貸住宅で飼われたら、壁や柱をかじられるのはかなわないし、おしっこや糞をまき散らかされるのも困る。

しかし、問題点があればきっと解決策もあるはずだ。

知恵を絞り、「ウサギを安心して飼える賃貸住宅」というのをつくったら、けっこうヒットするかもしれない。

ところで、本稿で登場した「現役のウサギ飼育者」とは、「ワクワク賃貸®研究所」の森下所長である。

飼っているウサギは研究所で助手を務めてくれている「きなこ」ちゃんだ。

ウサギを愛してやまない森下所長なら、問題の解決策をきっと考え出してくれるはず。

いやもう答えをすでに持っていて、快適にきなこちゃんとの暮らしを楽しんでいる気がする。

森下所長にそう言ったら、「クラシヲさんがネコ共生型賃貸住宅necoto[ネコト]をプロデュースしてますが、僕はひそかにusagito[ウサギト]をやろうと企んでたんですよ」と言い、不敵にニヤッと笑った。

その顔には「自信アリ!」と書いてあった。

どんな研究レポートを書いてくれるか、とても楽しみだ。

 
文責:久保田大介
イラスト:コミック堂

  • この記事を書いた人

久保田 大介

『ワクワク賃貸®』編集長。有限会社PM工房社・代表取締役。 個性的なコンセプトを持った賃貸物件の新築やリノベーションのコンサルティングを柱に事業を展開している。 2018年1月より本ウェブマガジンの発行を開始。 夢はオーナーさん、入居者さん、管理会社のスタッフさんたちがしあわせな気持ちで関わっていけるコンセプト賃貸を日本中にたくさん誕生させていくこと。

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