《 ワクワク賃貸物件集 》Vol.044

1年間限定でクリエイティブな活動に専念できる“共創型コリビング”付き賃貸住宅「ニューヤンキーノタムロバ」

投稿日:2022年4月7日 更新日:

「ニューヤンキーノタムロバ」のリビングダイニング。©倉本あかり

YADOKARIが斬新なコンセプトでシェアハウスをプロデュースしたらしい。

そんな情報をキャッチして、横浜市は弘明寺へ飛んでいきました。
YADOKARIは「世界を変える、暮らしを創る。」をビジョンに掲げ、既成概念に囚われない商品・サービスを世に送り出している企業で、同社がシェアハウスを手掛けるというのだから、普通であるはずがない。そんな“先入観”を持って取材に伺いましたが、予想をはるかに上回る実験的なシェアハウスで驚きの連続。何しろ入居者さんは“選抜”され、自身のクリエイティブの最大化を目指して1年間刺激的な生活を送ったあとは“卒業”を強いられると言うのです。
“選抜”・“卒業”なんて賃貸住宅とは全く縁のないワードですからキョトン?としてしまった方もきっと多いことでしょう。その方たちをそのままに放置しておくわけにはいかないので、さっそく説明を始めます(笑)。

「ニューヤンキーノタムロバ」の壁に貼られたグラフィック文字。 ©倉本あかり

神奈川県横浜市南区・京急線「弘明寺」駅近くにある築古ビルGM2ビル。その4階をリノベーションしてできた施設「ニューヤンキーノタムロバ」は本年(2022年)4月にオープンしたばかりのシェアハウスです。ビルオーナーは泰有社、企画運営はYADOKARIが行い、すでに第1期の“ニューヤンキー”たちが新しい生活をスタートしています。

“ニューヤンキー”とは企画・運営者の造語で、「常識」「一般」「マニュアル」といった社会の既成的な価値観に対し、自らのクリエイティブという個性をぶつけ、これからの時代を変えていく若者たちのこと
「年齢に関係なく、熱意と夢があって、自身のクリエイティビティを伸ばしたい人たちに必要なのは新しい文化・時代の匂いをつくる場です。ニューヤンキーノタムロバはそうした場を提供する目的で設立しました」(YADOKARI)。

性別は問わず(入居者の男女比のバランスもあまり気にしない)、クリエイティブのジャンルも特に定めていません。「第1期生として暮らし始めた“ニューヤンキー”たちも刺繍作家、劇団員、台湾料理家、農家などバラエティーに富んでいて、ジャンルはバラけているほうがいいと思っています」(YADOKARI)。

「ニューヤンキーノタムロバ」のアトリエスペース。 ©倉本あかり

入居希望者は1次審査(エントリーフォームの提出)⇒2次審査(面接)を得て“選抜”され、入居が決まった方とは4月1日から翌年3月31日までの定期借家契約を締結します。
「『1年後の自分はこうなっていたい』という、自らのクリエイティブを磨く決意をして入居いただき、個性豊かな仲間と暮らしながら、その実現のために集中して取り組んでもらいます。“卒業”前にはその集大成とも言うべきイベント『ゼロフェス』を実施し、1年間磨き上げたクリエイティブを社会に対し思い切り表現いただきます」(YADOKARI)。

入居期間中は入居者一人に一人ずつ、YADOKARIのメンバーがつきメンター的な役割を果たしてくれる「タイマン制度」(※希望制)があるほか、連携するイベントスペースを利用できるなど、自分に向き合い挑戦するためのさまざまな仕掛けが施されています。
「ゼロフェス」は1年間磨き上げたクリエイティブを社会に対して思い切り表現するイベントで、ニューヤンキーノタムロバを会場とし、展示やパフォーマンスなど、自由に個人のクリエイティブを表現していただく場です。

新年度はもう若干名入居者を受け付けていますが(2022年4月時点)、途中で入居が決まった方でも来年(2023年)3月末には“卒業”しなければならないとのこと。1年間フルに暮らしたい方は次年度以降エントリーする手もありますが、「来年まで待っていられない!」、「第1期生になりたい!」と思った方は、思い立った時点で是非応募なさってください。

「ニューヤンキーノタムロバ」全体図。

「ニューヤンキーノタムロバ」のアジト。©倉本あかり

企画の説明に続き、施設全体をご案内いたしましょう。

「ニューヤンキーノタムロバ」は、他の“ニューヤンキー”たちと一緒に過ごす共創空間「タムロバ」と、個室から成ります。
「タムロバ」は150㎡以上もある大きなスペースで、リビングダイニング、アトリエ、アジト、シャワー室、トイレ、洗面室、倉庫が設けられています。

上の画像はアジトと名付けられた空間。密談したり、瞑想したりするのが似合いそうな隠れ家的なスペースです。
「置かれているテーブルや椅子は動かせるので、全部まとめて隅に置き、パフォーマンスの練習場とすることなどもできます」(YADOKARI)。

「ニューヤンキーノタムロバ」のリビングダイニング。©倉本あかり

「ニューヤンキーノタムロバ」のキッチン。©倉本あかり

リビングダイニングは仲間と一緒に食事をしたり、会話を楽しんだりする場。ここで創作活動をしたり、作品を展示したりすることも可能です。
キッチンは共同で利用しますが、料理ジャンルで参加する方は、ここで新しいメニュー開発に取り組み、ニューヤンキー仲間に試食してもらうといいかも。

「ニューヤンキーノタムロバ」のアトリエスペース。テーブルや椅子を動かし、広くした様子。 ©倉本あかり

アトリエは創作活動に取り組む場として使える空間です。
絵画制作などで汚してしまいそうなときは、きちんと養生してから利用してください。
アトリエ、アジト、リビングダイニング、キッチンには利用時間などの制限はありません。
楽器演奏など音の出る活動をするときにも予め定められたルールはなく、「入居者同士で運用しながら決めていくことを想定しています」(YADOKARI)。

他の共用部についても、ざっとご案内しましょう。
洗面室、シャワー室は男女兼用。シャワー室は鍵付きで、脱衣所もあるので女性の方はご安心を。
トイレはもちろん男女別。倉庫には一人一区画ずつ専用の棚が設けられているから収納には困らないと思います。

スタンダード個室(約11㎡)©倉本あかり

続いては個室のご紹介。
個室は約11㎡のスタンダード個室が5室、約14~18㎡のちょっとリッチな個室が3室、2人で利用することを想定した約28~32㎡のデュオ・タイプが2室あります。

上の画像はスタンダードな1人用の個室。手前側に収納スペースもきちんとあり、インテリアは床の素材と備え付けの家具とでデザインが3種類に分けられています。

ちょっとリッチな広い個室。©倉本あかり

こちらはちょっと広めのリッチな個室。キッチンやトイレ、浴室などは共用部のものを利用します。スタンダード個室やデュオ・タイプ(2人部屋)も同様ですが、エアコン、ベッド、テーブル、チェア、冷蔵庫が備え付けられています。

デュオ・タイプの10号室。©倉本あかり

デュオ・タイプの11号室。©倉本あかり

最後はデュオ・タイプの9~11号室。
こちらは夫婦やカップルなど2人で暮らす人を想定していますが、カップル利用の希望がない年は、単身者2人でシェアしていただくことも考えられています(※お家賃などは要相談)。
デュオ・タイプには専用のキッチンと3点ユニットバスがついています(共用部ももちろん利用できます)。
11号室には専用バルコニーもついています。
なお個室ではDIYも可能で、自分好みの部屋に改装することもできます(※要相談)。承認を得て行ったDIYは原状回復不要となるので、“爪痕”を残したい方は是非ご検討ください(笑)。

「ニューヤンキーノタムロバ」の最寄り駅は京急線「弘明寺」駅で、そこから徒歩3分。横浜市営地下鉄「弘明寺」駅(同名なのでちょっとややこしい。2駅は少し距離があるので要注意)からも歩いて5分という近さです。
11号室には専用バルコニーもついています。
この街は横浜市内最古の寺院である弘明寺の門前町として古くから栄えていて、2つの「弘明寺」駅を結ぶアーケードの弘明寺商店街は元気なお店が立ち並び、とても賑やか。下町の風情を残す人情あふれる商店街としてテレビドラマやCMの舞台にもよく使われているそうです。
京浜急行電鉄「弘明寺」駅の反対口には広い弘明寺公園があります。春は桜、秋は紅葉が楽しめ、散策するにはもってこい! プールや図書館があるのも嬉しいです。
展望台からはランドマークタワーや横浜郊外の夜景を望め、いろいろな楽しみ方ができる街です。

「ニューヤンキーノタムロバ」のアトリエスペース。 ©倉本あかり

さて、最後に「ニューヤンキーノタムロバ」の大きな特徴をひとつご紹介します。
「ニューヤンキーノタムロバ」では入居者と同時に“コミュニティビルダー”も募集しています(※注:第1期のコミュニティビルダーはすでに決まっています)。
コミュニティビルダーは入居者の一人ではあるのですが、ある役割を果たすことで1年間の家賃が無料となっています。
その役割とは「日常清掃」「Webサイトの記事執筆」「コミュニティ醸成」「イベント・ゼロフェスの企画・運営」など。早い話がともに暮らしながら管理や運営を担う学級委員みたいな存在でしょうか。
このコミュニティビルダーの責任はとても重大で、その年のニューヤンキーノタムロバの成功・不成功を左右する存在と言えるでしょう。
当然、審査もしっかり行われますが、決め手は「熱意と人柄、必要な資質(柔軟性、協調性、適応性)を備えた人物であること」(YADOKARI)とのこと。
第1期も多数の応募があったそうですが、相対評価を行うのでなく、一人一人、応募のあった順に面接して決め、「あとからもっと適性のある人が来るかもしれませんが、気にしません」(YADOKARI)ということです。
責任は重たいけれど、やりがいはあるし、家賃ゼロで1年間暮らせるのはやっぱり魅力的。第2期以降の募集時にこの記事を読まれた方は是非トライしてみてください。

なおコミュニティビルダーも入居者も、エントリーは「ニューヤンキーノタムロバ」Webサイトから直接なさってください(質問も同様です)。
「ニューヤンキーノタムロバ」で過ごす1年が、人生の貴重な1年として有意義なものになるよう願っています。

物件情報

  • 物件コード:ワク賃044
  • 住   所:神奈川県横浜市南区弘明寺259
  • 構   造:鉄筋コンクリート造4階建て
  • 築 年 月:1963年
  • 専有面積・間取り:1~5号室=約11㎡・1R / 6~8号室=約14~18㎡・1R / 9~11号室=約28~32㎡・1DK
  • 共用部設備:メールボックス / 駐輪場(無料・スペースは3台分) / 屋上 / キッチン / リビングダイニング / アジト / アトリエ / 洗面室 / シャワー室(2室) / 脱衣所(2室) / トイレ(男女別) / 倉庫 / バルコニー
  • 専有部設備:エアコン / ベッド / テーブル / チェア / 収納 / 冷蔵庫 / キッチン(9~11号室のみ) / 3点ユニットバス(9~11号室のみ) / バルコニー(11号室のみ)

募集条件

  • 賃料:1~5号室=57,000円 6号室=61,000円 7号室=63,000円 8号室=59,000円 9~11号室=79,000円 ※最新情報はニューヤンキーノタムロバにご確認ください。
  • 共益費:1~8号室=12,000円 9~11号室=15,000円 ※最新情報はニューヤンキーノタムロバにご確認ください。
  • 敷金:なし
  • 礼金:なし
  • 管理費:20,000円(入居時のみ/返金なし)
  • 契約期間:最大1年 ※入居時から翌年3月31日まで
  • 火災保険:加入必須
  • 解約予告:原則途中解約不可

文:久保田大介

  • この記事を書いた人

久保田 大介

『ワクワク賃貸®』編集長。有限会社PM工房社・代表取締役。 個性的なコンセプトを持った賃貸物件の新築やリノベーションのコンサルティングを柱に事業を展開している。 2018年1月より本ウェブマガジンの発行を開始。 夢はオーナーさん、入居者さん、管理会社のスタッフさんたちがしあわせな気持ちで関わっていけるコンセプト賃貸を日本中にたくさん誕生させていくこと。

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