《 ワクワク賃貸物件集 》Vol.047

小商い・SOHOとしての使いやすさを求め新築された職住一体型賃貸マンション in桜上水~駒田建築設計事務所設計!会社登記、スタッフ勤務もOK!

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「ワク賃047」の外観

「商うこと」はかつて、暮らすことと同義であった

これは2022年4月に刊行された『小商い建築、まちを動かす!』(西田司・神永侑子・永井雅子・根岸龍介・若林拓哉・藤沢百合共著/ユウブックス刊)という本の前書きに記された最初のフレーズです。

この本では建築家による小商いの場づくりや運営について12の好事例が紹介されていますが、冒頭のフレーズのあと、前書きは次のように続きます。

「表店」と「裏長屋」とも言われたように、近世まで当たり前だった職住一体の暮らし方。そこには「暮らし」と「商い」の精神的・物理的な境がなく、日々の生活の情報交換やたわいもないコミュニケーションが当たり前のようにありました。
近代化が進むと、効率よく働く環境を確率させるように都心オフィスが生まれ、働く環境から区別された家は郊外での整備が進みました。職住分離のライフスタイルです。
そして昨今では、長時間労働の見直しや女性の社会進出の加速、少子高齢化といった社会課題に伴い、リモートワークや多拠点居住など、職住分離の関係性を揺るがす多様なライフスタイルの価値観が醸成され始めました。そんな折、新型コロナウイルスの猛威は半ば強制的に、家で働くという状況をつくり出したのです。世界中で働くことと暮らすことの共存関係、ないしはそれらをひっくるめた「自分らしい生き方」という問いに向き合う人が増えたのではないでしょうか。職場という物理的な環境がなくなると、本来の家は衣食住のみならず、働くことも休むことも許容可能な、もっとも自由で型のない、時代の変化とともに変わり続ける建築であることに気づかされます。※以下略

この前書きにある通り、「職住一体型住居」は現代の新しい価値観にマッチし鮮やかに復権してきていることを、私も不動産の仕事に関わっていて強く実感しています。
今回ご紹介する「ワク賃047」は、『小商い建築、まちを動かす!』で紹介されている駒田建築設計事務所によって設計された賃貸マンションで、「働きながら暮らす」をコンセプトとしています。このコンセプト通り、「職住一体型住居の理想像」を求めて随所に工夫が盛り込まれた物件なのですが、どのような点をもって「職住一体型住居の理想像」と言っているのか、「ワク賃047」全8室のうち202号室と102号室を例にとってお伝えしたいと思います。

【202号室】専有面積:31.12㎡ 間取り:1LDK

202号室の間取図。専用の外階段がついている。

はじめに202号室の間取図をご覧ください。
下方に外階段があることにお気づきいただけるかと思います。

202号室に登る外階段。

「ワク賃047」の貸室は全部で8室ありますが、そのうち4室はエントランス内の共用階段を使わず、外階段を利用して自由に出入りできるようになっています。
そして1階の102号室と2階の3室は小商いをしながら暮らすことができます(※店舗としてのみご活用いただくことも可能です)。
外階段がついていると、お客様が他の入居者さんの目を意識せず来店いただけるからとても気楽。オープンな雰囲気を入口から演出することができます。

202号室のLDK=小商いスペース。

入口扉を開けると、玄関部分は細長い土間になっています。ここで靴を脱いでもらうことを想定していますが、幅がかなり広いので、お客様が多く訪れても靴を余裕で並べることができるはず。

入口から見た202号室の小商いスペース。

土間玄関と一体になっているLDKは小商いスペースとして使えます。
入口扉はガラスの引き違い戸になっていて、バルコニー面のサッシが天井まで窓になっているので、とても明るく開放的。入居者さんもお客さんもテンション上がること間違いなしです。

202号室のトイレは小商いスペースにある。

トイレはこの小商いスペースにあります。お客様にトイレを使っていただくとき、奥の居住スペースを通らず住むよう配慮されているというわけです。

202号室の居住スペースと小商いスペースは段差で区切られている。

上の写真は居住スペースから小商いスペースを見たもの。
読者の皆様はすぐに気づかれたかと思いますが、小商いスペースと居住スペースには段差があります。この段差でもって空間を区分けしているのだそうです。
2室の境に扉(建具)はなく、カーテンレールだけ設置されています。全体を店舗としてもよいし、居室とする場合はカーテンで目隠しをしていただく、という考えなのだとか。

202号室の居住スペース。

居住スペースの右には木製のボックスで区切られた空間があります。

202号室木製ボックス内の洗面台と洗濯機置き場。

この木製ボックス内にはシャワールームと洗面台、洗濯機置き場があります。
右奥の洗濯機置き場は洗面台が邪魔になって一見作業しづらそうに見えますが・・・

引違い戸の反対側を開けると洗濯作業がスムーズにできる。

木製ボックスの入口は引違い戸になっていて、反対側の扉を開ければこの通り。洗濯はスムーズにすることができるというわけです。

202号室のシャワールームは木製ボックスの中にある。

洗面台の左奥にはシャワールームがあります。
「ワク賃047」は最上階の401号室を除き、全室浴槽はなくシャワールームのみとなっています。
これはワークスペースと居住スペースを少しでも広く取るためで、普段はシャワーで済ませていただき、ゆったりとお湯につかりたいときは、歩いて5分のところにある「月見湯」に行っていただければ、とのこと。天然温泉やサウナ、エレキマッサージもあって、快適な銭湯なのだそうです(オーナー談)。

202号室のキッチン。

キッチンは入口横の土間部分にありますが、いかにもキッチンという感じでなく、すっきりとしたスマートなキッチンです。これなら小商いスペースにあっても生活感が出なくていいですね。

【102号室】専有面積:34.44㎡ 間取り:1LDK

102号室の間取図。

つづいて1階の102号室をご紹介いたします。
102号室は「菓子工房付き住居」として特別に設計されたお部屋です。
間取図で「LDK」となっているところが「菓子工房」で、設計段階で世田谷区の保健所に監修いただいていて、借りる方の要件が備わっていれば、すぐに菓子製造許可が得ることができるようになっています。

102号室の菓子工房。

菓子工房スペースには、キッチン、冷蔵庫置き場、洗面台、トイレ、トイレの前室が設けられています。菓子製造許可を取るために整えた要件については、後日、「菓子製造許可が取れる賃貸住宅」コーナーで詳しくご紹介します。

102号室・菓子工房脇のテラス。

菓子工房はシェアキッチンや料理教室として使うことが認められています。
工房のサイドに広いテラスがあるので、ここにテーブルや椅子を置いて、作りたてのお菓子を食べながらお茶を飲んだら気持ちよさそう。

102号室の居住スペース。

菓子工房の奥には居住スペースがあります。
ご注目いただきたいのは、この居住スペースの床も土間になっていること。
暮らすのにはちょっと寒そうな感じがしますが、全体を店舗や料理教室として使う場合も想定し、あえて土間にしたとのこと。
自分で床にフロアタイルやタイルカーペットを敷くこともOKなので、いろいろと工夫してみたらいいですね。

菓子工房と居住スペースは引き戸で仕切られる。

居住スペースと菓子工房スペースの境は大きな引き戸で仕切ることができます。
2~4階の貸室にはワークスペースと居住スペースの間に扉はないのですが、102号室は菓子製造の営業許可を取るために扉を設置する必要があるので、はじめから設置されています。

居住スペースのミニキッチンとシャワートイレ。

普通の住宅と大きく異なるのは、居住スペースにもミニキッチンとトイレがあること。
菓子工房のキッチンやトイレは生活のために使ってはいけない規定になっているため、特別に設置したそうです。

102号室のシャワールーム。

102号室の専有面積は34.44㎡で、決して広い部屋とは言えません。そのなかにキッチンとトイレが2つずつあるので、本来であればもっと窮屈な感じになってもおかしくないのですが、実際はさほど狭く感じません。
その理由は3つあるように思います。
1つめは他室と同じく浴槽をなくし、シャワールームだけにしていること。
そのためほかのスペースが広くとることができています。

102号室・居住スペースの天井高は3m(!)。

2つめは居住スペースの天井高が3mあり開放感があること。
壁にいっぱいあるPコンフックを活用して棚をたくさんつけることができるし、シャワールームやトイレが内設された木製ボックスの上部も収納スペースとして利用できます。立体的に使うことで狭さの問題を解消しているというわけですね。

サッシの上にも窓がある。

3つめはサッシの上部にも窓がついていること。
光を部屋にたっぷり取り込めるので明るく広々とした空間に見えるのです。
設計を担当された駒田建築設計事務所さんはグッドデザイン賞の審査員も務めておられますが、こうした点に設計デザインの力が存分に発揮されているように感じます。

なお「ワク賃047」は「働きながら暮らす」というコンセプトでつくられた物件なので、ここで会社登記をしたり、スタッフが通ってきたりすることもOKとなっています。一時的であれば立て看板を設置することも相談可能。 ほかにもビジネスパートナーなどとルームシェアすることも歓迎しています。 これらは普通「NG」とされていることばかりだから、かなり柔軟な物件だなと思います。

401号室のルーフバルコニー。

ここまで202号室と102号室を例にとって、職住一体型住居として優れた点をご紹介してまいりましたが、「ワク賃047」は8つの貸室すべて間取りが違うという特長があります。
そこで残りの6室についても写真中心に簡単にご紹介します。
まずは14㎡のルーフバルコニーがついた最上階の401号室から。

【401号室】専有面積:37.73㎡ 間取り:1LDK

401号室は最上階に1室だけあるペントハウスです。
「ワク賃047」にはエレベータがないので、401号室まで階段を登る必要があるのですが、見てください、この広々としたルーフバルコニーと、日差しが燦々と降り注ぎ開放感のあるお部屋を! 階段を登る労力に見合うだけの価値は十分あると思います。
LDKに面したルーフバルコニーは約14㎡あり、さらに居室側にもバルコニーがついています。エアコンの室外機やガス給湯器が屋上に設置されているので、バルコニースペースに障害となるものが全くなく、フルに活用できるのも魅力的。ルーフバルコニーには床置きの照明器具もあるので、夜もここでゆったり過ごすことができます。
401号室は他室と異なり浴槽もあり、大きな窓がついているので開放感抜群(外からの目が気になる方はブラインドが設置されているのでご安心ください)。
これだけ明るく開放的なお部屋で仕事をしたら、どんなに気分がよいことでしょう。

【303号室】専有面積:36.53㎡ 間取り:1LDK

303号室は401号室のルーフバルコニーには負けますが、やはり広々としたバルコニーがLDKに面していて、居室のほうにもバルコニーがついているお部屋です。
この部屋は外階段があって、他の入居者をさほど意識せず出入りすることができます。
ガラスの玄関ドアを開けると奥までまっすぐ土間が続き、右側の一段高いところが居室になっています。ここはまるで舞台のよう。
全体の中央に水回りが組み込まれた木製ボックスがあり、その奥にLDKがあります。他室はLDKをワークスペースとしていただくのがベストですが、303号室に限っては、舞台のような居室のほうをワークスペースにして、広いバルコニーのついたLDKを居住スペースとする、という使い方も良さそうです。

【302号室】専有面積:30.60㎡ 間取り:1LDK

302号室は他室に比べるとオーソドックスな1LDKと言えますが、独り暮らしをするのなら、この部屋が一番使いやすいかもしれません。
バルコニーは居室のほうについていて、奥の半分には目隠し代わりの壁があるので、そちら側をベッドスペースにするとちょうどいい感じ。
水回りが内設された木製ボックスにはシャワールーム、洗面台、洗濯機置き場が入っていて、洗濯機がちょっと使いづらいかな?と思いきや、扉が引違い戸になっているので、右側の扉を開ければスムーズに洗濯ができます。

【301号室】専有面積:37.98㎡ 間取り:1LDK

301号室は「ワク賃047」のなかで最も広いお部屋です。
居室スペースは中央の木製ボックスで二分されているけれど、どちらもベッドとデスクを置けるゆとりがあります。
この部屋の使い方にはさまざまなバリエーションがありそう。
たとえば次の3案はどうでしょうか?

A案:DINKSが手前をリビングの延長として使い、奥を寝室にする。
B案:代表者の住まい兼オフィスにし、手前はワークスペース、奥は代表者の寝室にする。
C案:友人同士でルームシェアをしながら一緒に仕事をする。

ほかにもいろいろな使い方がありそう。考えているだけで楽しくなっちゃいますね。

【203号室】専有面積:32.70㎡ 間取り:1LDK

203号室は先にご紹介した202号室と同様、外階段がついているので、小商いをしながら暮らすにはピッタリのお部屋です。
ガラスの扉を開けると玄関部分は細長の土間になっていて、左右にデスクとキッチンが設置されたLDKがど~んとお出迎え。トイレは玄関土間の左奥にあるので、お客様に使っていただきやすいこともあり、ここも小商いスペースにもってこいだと思います。
段を上がると、こちらも中央を水回りの木製ボックスが設置されていて、手前と奥に居住スペースがある形。奥はベッドを置いてもいいし、ウォークインクローゼットにしてもいい。
手前(LDK側)は小商いスペースの延長としてもいいし、寝室にしてもいい。
住む人によっていろいろな使い方がありそうです。

【201号室】専有面積:31.91㎡ 間取り:2LDK

最後は201号室。
この部屋も2階なので小商いスペースとして使うことができます。LDKの左右に居住スペースがあり、左側は木製ボックスで二分されていて、右側は小部屋になっています。
201号室の使い方を私もちょっと想像してみました。
たとえば右側の小部屋は寝室にして、左側の部屋は左右それぞれに寝台をおいてリフレクソロジーサロンにする、なんていうのはどうでしょう? ネイルサロンやまつげエクステサロンなどもいいかもしれません。
あるいはビジネスパートナーとルームシェアをして、左側の部屋にはそれぞれの寝室にし、右側の小部屋はウォークインクローゼットとして使うというのもよさそう。
全スペースを店舗とすることもOKなので、アートギャラリーや雑貨店などにしてみるのも「あり」ですね。
バルコニーが2つあるのも嬉しいポイントです。

レンガ壁の前付近が来客用駐輪スペースとなる。

「ワク賃047」には入居者用の駐輪スペースはないのだけれど、来客用の駐輪スペースが用意されています。
場所は102号室(菓子工房付き住居)の玄関の左前スペース。上の画像でいうと、赤いレンガの壁の前面です。
2階で小商いをする方にとっては大事なことのように思います。
3階、4階を住居兼オフィスとして使う方がいれば、もちろんお客様に使っていただけます。

「ワク賃047」は京王線「桜上水」駅から徒歩2分と、立地的にも恵まれた場所に建てられています。
「桜上水」駅から「新宿」駅までは各駅電車でわずか5駅。2つ隣りの「明大前」駅で京王井の頭線に乗り換えると「渋谷」駅までも最短14分ほどで行くことができます。
駅前にスーパーやコンビニ、ドラッグストア、飲食店が揃っているので買い物はまずまず便利。
「ワク賃047」は駅前の商店が並ぶ通りから1本横に入った住宅街にあり、人通りがとても多いというわけではありません。小商いをする際には、集客はネット中心に考えたほうがいいかもしれません。
住宅を隔てて線路があるため、電車の通る音も聞こえますが、窓を閉めるとあまり気にならないレベルだと感じました。

働きながら、あるいは小商いをしながら暮らせる家を求めている方のためにつくられた「ワク賃047」はいかがだったでしょうか?
働く場所と休息を取る場所とは別々のほうがいい、という方もたくさんおられるでしょうが、通勤に時間を取られず、マイペースで仕事をしたいという方も大勢います。 新型コロナウイルス禍でリモートワークが奨励され、すっかり定着したように思うけれど、リモートワーカーにとっての快適性を追求した賃貸マンションの供給はごくわずか。
そして会社登記することが認められていて、スタッフやお客様が通ってきてもよいという物件はまだまだ少ないです。オーナーさんは時代の潮流を感じ取り、ファーストペンギンたらんとされている方なので、ほかのこともきっと相談しやすいはず。
職住一体のライフスタイルに強い憧れを持っている方には、編集部として自信を持ってオススメできる物件です。

物件情報

  • 物件コード:ワク賃047
  • 住   所:東東京都世田谷区桜上水4-9-11
  • 構   造:鉄筋コンクリート造4階建
  • 築 年 月:2022年10月
  • 専有面積・間取り:本文に記載
  • 共用部分設備:来客用駐輪場/メールボックス/宅配ボックス
  • 専有部設備:キッチン(ガスコンロ2口)/シャワールーム(401号室のみバスルーム)/エアコン/室内洗濯機置き場/シャワートイレ(102号室は2箇所)/独立洗面台/ミニキッチン(102号室のみ)/ライティングレール/バルコニー/地デジアンテナ/TVモニタホン/LBシリンダーキー

募集条件

  • 賃料:102号室=15万円台後半
    201号室=13万円台
    202号室=13万円台
    203号室=13万円台後半
    301号室=15万円台後半
    302号室=13万円台
    303号室=15万円台後半
    401号室=17万円台後半
    ※1・2階について店舗利用の場合は別途消費税
  • 共益費:5,000円
    ※1・2階について店舗利用の場合は別途消費税
  • 敷金:賃料の1カ月分
  • 礼金:賃料の1カ月分
    ※1・2階について店舗利用の場合は別途消費税
  • 契約期間:普通借家契約2年
  • 更新料:新賃料1カ月分
    ※1・2階について店舗利用の場合は別途消費税
  • 保証会社・火災保険:加入必須
  • 解約予告: 1ヵ月前
  • ペット飼育: 不可
  • 楽器演奏: 不可

文:久保田大介

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久保田 大介

『ワクワク賃貸®』編集長。有限会社PM工房社・代表取締役。 個性的なコンセプトを持った賃貸物件の新築やリノベーションのコンサルティングを柱に事業を展開している。 2018年1月より本ウェブマガジンの発行を開始。 夢はオーナーさん、入居者さん、管理会社のスタッフさんたちがしあわせな気持ちで関わっていけるコンセプト賃貸を日本中にたくさん誕生させていくこと。

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