《 世界のワクワク住宅 》Vol. 001

古いバス車両を快適住宅にリノベーションした2人の女性〜イーヴン・イェヒューダ(イスラエル)〜

投稿日:2017年12月25日 更新日:

路線バスをお洒落で機能的な家に————そんな改造を行ったのは二人のイスラエル人女性、心理療法士のタリと水質管理技師のハギット。人生観や美意識を共有する二人は息子たちの通う学校で知り合うや、すぐに意気投合。創造的なプロジェクトで起業したいと話すまでになる。そんなある日、タリは何気なく手に取った女性雑誌からハッと閃く。「変わったリノベーションを集めた特集記事があったの。コンテナやテントを快適な住居に変えるとか。それでハギットと二人でバスも家に改造できるんじゃないかと考えたわけ」。

数日後、二人はスクラップ工場で古い大型バスを購入。座席や付属品を取り除き、改造作業に着手するが、バスの特徴を残すのか、それともコンテナのようなのっぺりした空間を作り出すのかというデザインの方向性で悩む。

二人はデザイナーの友人に相談、バスの基本レイアウトは敢えて残し、それを個性にした住空間を作ることに決める。とはいえ、バス独特の細長い空間(2メートル×12メートル)や車輪部分の大きな出っ張りはデザイナー泣かせでその後もチャレンジの連続だった。

それでもバスの変身は大成功。バスの窓やドア、さらに大きなハンドルも残しつつ、浴室、ベッド、キッチン、エアコン、収納スペースなど、生活に必要なものが完備した空間ができ上がった。随所にデザインの遊び心あふれる楽しい空間だ。この型破りな発想に共感する人にこのバスをマイホームとして使ってもらうのが彼女たちの願い。古いバスを快適な住居に転用できるなら、イスラエルの住宅不足問題解決の一助になるかもしれない。

出典①(紹介記事):Spooky for Oddity Central (2013年8月15日)

写真:Lior Danzig

出典②(元ネタ): Xnet

*Xnetはイスラエルの情報サイト。残念ながらヘブライ語版だけですが、このバスを快適マイホームにする写真は他にもたくさんアップされています。ぜひご覧ください。

文責:林はる芽

 

  • この記事を書いた人

林 はる芽

フリーランスの翻訳家・エディター 日本語・フランス語・英語、時々スペイン語・ドイツ語を翻訳。 最近のおもな訳書にフレデリック・マルテルの3著『超大国アメリカの文化力』(共監訳)(岩波書店2009)『メインストリーム』(同2012)『現地レポート 世界LGBT事情』(同2016)、Kenjiro Tamogami, et.al. Fragments & Whol (Editions L’Improviste 2013) [田母神顯二郎他『記憶と実存』(明治大学 2009)]など。

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