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星空とサファリを楽しむツリーハウス〜ムプマランガ州(南アフリカ)〜

投稿日:2019年6月20日 更新日:

アフリカ大陸の最南端に位置する南アフリカ共和国。日本から第3国を経由する、およそ18時間のフライトの先にあるのは、何千もの野生動物たちが生息する大自然。そのただなかに身を置くという非日常を普通のホテルではなく、さらにワクワクするような場所に滞在しながら体験できたら・・・。

今回は、野生動物の姿を眼下に眺めるツリーハウス型の滞在施設、ライオンサンズをご紹介しよう。

南アフリカのムプマランガ州に位置するサビサンド私営鳥獣保護区は、低木が生い茂り、サビー川が流れる広大な敷地だ。アフリカに行ったことがない私としては、『ライオンキング』の世界を想像するしかない。いや、ナショナル・ジオグラフイックのサイトをのぞいてみたら、この辺りで「ヌーを食らうワニをカバが襲う」という衝撃的な動画があったので、やはりここはそれ以上に過酷な環境に違いない・・・。

一方で、この保護区内には最高級のサファリロッジもあり、世界中の観光客の憧れの場所となっている。なかでもライオンサンズは、プールやスパが併設されたロッジのほかに、ツリーハウスが3棟あるというユニークな施設だ。

まずは、チャークレー・ツリーハウス。木の上の家というよりは高床式の舞台のようで、壁はおろか天井もない。地面からの高さは約8メートル。板張りの床に天蓋付きのキングサイズベッド、大型のソファ、テーブルがあるのみ。定員は2名で、子供は宿泊不可となっている。本棟ロッジからは4キロ以上も離れている上、四輪駆動で送ってきてくれたレンジャーは夕暮れ前に帰ってしまうので、まさにサバンナのまん中に放り出されたような感覚になるだろう。

電気は通っておらず、ソーラー照明とランタンの優しい光があるのみ。パノラマの景色、太陽や月の動き、満天の星を全身で感じることができる。もちろん、Wi-Fiもない。携帯の小さな画面を通して見る大自然をインスタにアップするのに忙しい・・・なんて旅の過ごし方は、ここにはそぐわないのである。

ツリーハウスからは「ビッグ・ファイブ」——ライオン、ヒョウ、サイ、バッファロー、ゾウ——をラッキーであれば至近距離から、または双眼鏡で見ることができるそう。その他にもチーター、シマウマ、ジャッカル、尾長ザルなどが現れる。キリンは低木の上に顔を出すそう(見てみたい!)。ツリーハウスの開放的なつくりによってハイエナの遠吠えや鳥たちのさえずりも聞こえ、五感がフルに刺激される。

創設者、ガイ・オーブリー・チャークレー(1880-1938年)

このチャークレー・ツリーハウスは、3棟の中でもライオンサンズの原点とも言える建物だ。1920年代、アメリカ人鉱山技師のガイ・オーブリー・チャークレーが南アフリカを訪れた際に、キングストンという土地に出会う。もともとは狩猟が趣味だったチャークレーだが、この地の美しい自然に心奪われ、以後一度も動物たちにライフルを向けることはなかったという。1933年に彼はこの土地を購入。後に敷地が拡大され、現在のサビサンド保護区となった。この時、徘徊する野生動物を避けるために木の上に作った拠点が、このチャークレー・ツリーハウスの始まりなのだ。

「サビー川で戯れるワニやカバを兄弟たちと見ながら過ごしたあの夏の日の思い出を胸に、これから何年にも渡ってこの地を管理することを心に誓います」。そう語ったのは、チャークレー家の三代目にあたるニコラス・モア。現在は4代目となる一家が、変わらず野生動物との共存と自然保護に務めている。ライオンサンズでは生態学者をフルタイムで雇い、商業化と自然環境のバランスを常にモニタリングしている。

他のツリーハウスも簡単に紹介しよう。

キングストン・ツリーハウスは60平米で、シャワー施設が他よりも充実している。10歳以上の子供なら宿泊可能で、ファミリーに人気だそう。ピクニックバスケットに入ったグルメ・ディナーとアフリカ産のワインが楽しめる。

そして3つ目のティンエレティ・ツリーハウスは、「たくさんの星」を意味するその名の通り、星空がもっともきれいに望めるツリーハウス。隣接するクルーガー国立公園内にあり、サビー川沿いに位置していることが特徴だ。

ところで、臨場感あふれる滞在型サファリに危険はないのだろうか。「野生動物は本能的に人間との接触を避けるので、ツリーハウスに近づくことはありません」。そう語るのは、コンテンツ・マネージャーのジェイド・クロケットさん。「でも、万が一の時のために跳ね橋式の非常口と、動物たちの侵入を防ぐ安全ドアが設置されています」。また、常時スタッフと連絡が取れるように各ツリーハウスには無線機が備えられている。眼下の動物たちとの安全な距離を保つ方法には納得。では、頭上の鳥たちは?

「鳥はツリーハウスに留まることはありますが、やはり人間を避ける傾向にあります」と、ジェイドさん。せっかくなので、ここで出会える鳥類も紹介していただいた。鋭い口ばしで動物の死肉を食らうミミヒダハゲワシや、体長が20センチにも満たないアメリカスズメフクロウ、14色の羽で覆われているライラックニシブッポウソウなどが見られるそう。

「アフリカで目覚めた朝が幸せでなかったことは一度もない」と語ったのは、かのヘミングウェイ。ライオンサンズのツリーハウスで目覚める朝もまた、さぞ格別なものだろう。

 

写真/all images and sources courtesy of Lion Sands Game Reserve

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文責/text by: 河野晴子/Haruko Kohno

  • この記事を書いた人

河野 晴子

キュレーターを経て、現在は美術を専門とする翻訳家、ライター。国内外の美術書、展覧会カタログの翻訳と編集に携わる。主な訳書・訳文にエイドリアン・ジョージ『ザ・キュレーターズ・ハンドブック』(フィルムアート社、2015年)、”From Postwar to Postmodern Art in Japan 1945-1989”(The Museum of Modern Art, New York、2012年)など。近年は、展覧会の音声ガイドの執筆も手がけている。夫、娘、猫と都内に在住。

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