《 入居者インタビュー 》

DIY歓迎の賃貸戸建てがつくる入居者さん・家主さんのしあわせな関係

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「入居者インタビュー」コーナーでは、「ワクワク賃貸物件集」で紹介したお部屋に住んでいる方たちの“生の声”をお伝えしてきましたが、今回は入居者さんと家主さんに同時にインタビューするという新たな試みをいたしました。

 

舞台となるワクワク賃貸物件は小田急線「玉川学園前」駅にある戸建賃貸「タマゴハウス」。

家主の鈴木一雄(かずお)さん・柄美(えみ)さんご夫妻が1966年築の古い戸建てを購入され、DIYでリノベーションしたあと賃貸に出し、2代目の入居者となったのが若尾裕司(ゆうじ)さん・睦美(むつみ)さんご夫妻です。

裕司さん:若尾裕司さん(入居者さん)

睦美さん:若尾睦美さん(入居者さん)

一雄さん:鈴木一雄さん(家主さん)

柄美さん:鈴木柄美さん(家主さん)

入居してから約5年、若尾さんご夫妻は鈴木オーナーの承諾を得て、DIYで「タマゴハウス」をいっそう素敵な住まいへと変えていかれました。

今回は「タマゴハウス」の現在の姿をご紹介しながら、家主さん、入居者さんとのしあわせな関係について探ってまいります。

タマゴハウスに引っ越してこられる前、若尾さんご夫婦はどんな物件に住んでいたのですか?

裕司さん

横浜市青葉区にある連棟式の平屋を借りて住んでいました。

睦美さん

そこにはアンティークの家具などは置いていましたけど、自分たちでリフォームをしたことはなかったです。

青葉区の平屋ではなぜセルフリフォームをしなかったのですか?

裕司さん

簡単に言えば、自分たちでお金を出してリフォームする価値がないと感じていたということですかね。

睦美さん

でもDIYはやってみたいと思っていたので、3年かけて引っ越し先を探したんです。 物件の条件は「ビンテージカーを停められる戸建てであること」「DIYできること」「犬を多頭飼いできること」の3点で、米軍ハウスをはじめ、いろんなところを夫婦で見て歩きました。

裕司さん

そしてようやく、「東京R不動産」に紹介されていたこのタマゴハウスに出会うことができたわけです(笑)。

初めてタマゴハウスを見たときの印象はいかがでしたか?

睦美さん

東京R不動産のサイトを見て、オーナー夫妻がDIYでリノベーションされた家であることは知っていたのですが、中に入って、脱衣場の換気窓を見たとき、「ああ、この物件はひと味違うな」と思いました。センスだけじゃなくアイディアも良くてとても素敵でした。

柄美さん

そう言われると嬉しいです(笑)。
もともとこの家には脱衣場がなかったんですが、それでは困るだろうと思ってつくりました。そのときお風呂の扉を新しいものにしたので、古い扉を換気窓にするアイディアが浮かんだんです。

一雄さん

私たち夫婦は以前、リフォーム会社に勤めていて、僕は今でも住宅関係の仕事をしています。DIYが好きなので、自分たちでできることは極力やって、プロの力を借りたほうがいいところは大工さんたちに任せる。そんなスタイルでやってます。

裕司さん

それと玄関が広い土間になっていて、大型犬を飼うにはいいなあと思いました。

柄美さん

大きな犬を飼う方だけでなく、赤ちゃんがいるご家庭だったらベビーカーを置くのにも便利だろうなあと想像しながらつくったんです。

一雄さん

購入したときの玄関はもっと外側にあったのですが、玄関前にもスペースがあったほうが便利だろうと思い、入り口を内側に引っ込めました。

睦美さん

だから入るときも中に入ってからも使いやすいんですね。

柄美さん

洗面台もふたつあって、ひとつはワンちゃんが足を洗ったりするのに便利かなと考えて、洗濯機置場だった所に新しく作りました。

睦美さん

はじめ犬を3匹連れて入居しましたが、現在は2匹になり、ネコも2匹飼わせていただいています。床も汚れて気にならず滑りにくいものを選んでくださっているので、みんな伸び伸び過ごしています(笑)。

僕は玄関のところがとても面白いと思いました。階段下が靴入れになっていてびっくりです。

一雄さん

階段はストレートに下りるようになっていたのですが、住む方が危ないんじゃないかなと思い、途中でL字に折り曲げてみました。
で、古い階段はそのまま残し下足入れにしてみたんです(笑)。

柄美さん

やろうと思えば、あれやこれやキリがないですよね・・・(笑)。
基本的には楽しいことなのですが、かなり時間がかかり苦労もしました。
だけど、若尾さんたちのお話を聞けて、やってよかったなあと思います。

ところで、初めて両家が顔を合わせたのはいつですか?

睦美さん

東京R不動産さんで賃貸借契約をしたときです。
換気窓の下につけてあるアンティークの棚を買ってあって、それを設置していいですか?と訊ねたら、「いいですよ」と即答してくださって・・・。

柄美さん

その写真を見せてもらった瞬間に、ご趣味の良い方々とわかりました。
あと「石油ストーブを使ってもいいですか?」と聞かれたので「もしかしてアラジン製ですか?」と聞き返したら「そうです」と言われて、すぐに意気投合しました(笑)。

睦美さん

「ガスコンロも替えていいですか?」と訊いたら「クロワッサン製?」とも言われましたね(笑)。

次に会ったのはいつですか?

柄美さん

1年ぐらい経ってからだったと思います。
最初、私たちの家(注:やはり築古の戸建てを購入し、ご夫妻でDIYリノベーションをして暮らしておられる)にご招待して食事をしたら、「返礼」と言って招いてくださいました。

久しぶりにご覧になったタマゴハウスはいかがでしたか?

柄美さん

それがもう、アンティークの家具や雑貨が置かれてたり、観葉植物やボタニカルアートの絵が飾られてたり、素晴らしい空間!
「若尾さんに入居していただいて本当に良かった!」と思いましたよ。

睦美さん

私たちはアンティークショップを巡るのが好きで、休日にあちらこちらを回ってます。
そこで買ってきたものを使っているので、たいしたDIYじゃないんですよ。

一雄さん

いやぁ、セレクトするセンスもとてもいいと思います。
初めて来たときは僕も本当に驚き感動しました。

リビングの隣りに建っているサンルームもDIYでつくられたそうですが、初めて来たときにはもうあったのですか?

柄美さん

いえ、そのときはなかったです。

睦美さん

そうですね。これは数年経ってからふたりでつくりました。

こういうものをつくるときはご夫婦どちらが発案されるのですか?

裕司さん

考えるのは専ら妻の役割。妻が考え、鈴木さんの承諾を得て、妻に手伝ってもらいながら僕がつくる。だいたいいつもそんな感じです。

睦美さん

とても器用なんで助かってます(笑)。

鈴木一雄さん(家主さん)

鈴木柄美さん(家主さん)

こんなに素敵なお部屋になっていますが、鈴木オーナーは若尾さんたちが将来退去されるとき、どんなふうに原状回復をしてもらおうと考えていますか?

柄美さん

原状回復は、若尾さんが必要なものを持っていかれたあと、残された状態を見てどうするか、夫と話し合って決めます。

それはすごいですね!

柄美さん

そうなんですかね? 実は昔、私の祖父が古いアパートを経営していて、私は近くに住んでいたのでよく遊びに行ってました。そのアパートも入居者さんが自由に改装してよくて、中には写真スタジオにしてしまった方もいらっしゃいました。
そんな様子を見て育ちましたから、入居者さんが自分の住みやすいようにリフォームするのも、原状回復しないのも、よくあることだと思ってました(笑)。

一雄さん

まあ、僕らはふたりでDIYするのが好きだから、たいがいの状況には対応できるし、若尾さんたちのことは信頼しているので、問題ないと思いますよ。

若尾裕司さん(入居者さん)

若尾睦美さん(入居者さん)

若尾さんご夫妻にお訊ねしたいのですが、おふたりは「玉川学園前」駅のことは、こちらに来られる前からご存知だったのですか?

裕司さん

いえ、ほとんど知りませんでした。来たことがあったかもしれませんが、記憶がありません。

睦美さん

私も知らなかったですが、住んでみたら、勤務先(表参道)まで行くのも便利なので、悪くないなと思いました。
私たちの場合、「物件ありき」で探していたので、どんな街かはたいして気にしていませんでした。
タマゴハウスがあったから、私たち夫婦はこの街に来た。まさにそんな感じです。

裕司さん

丘の上にあるので、駅に向かう途中の眺めがいいことも気に入ってますよ。

もうひとつお伺いします。ご夫妻は自分たちで家を購入して、好きにDIYをするという考えはなかったですか?

裕司さん

それは考えなくもなかったですが、家を買うと、そこに固定されてしまうでしょう?
私たち夫婦は、これからどこで、どんなふうに暮らすのか、まだわからないので、家を買うとしても先のことだと思います。そのときそのときの最適を自由に選べる賃貸に今は魅力を感じています。

睦美さん

その意味でも、自分たちで好きにリフォームできるタマゴハウスと出会えてよかったです。

最後にオーナー夫妻に一言ずついただけますか?

一雄さん

このタマゴハウスは私たち夫婦にとっても非常に思い入れのある物件です。
それまでは転居に伴い、前の自宅を貸すことはしていましたが、最初から貸す目的で購入した物件第1号でしたから。
妻とプランや仕上げについて話し合いを重ね、年末年始も深夜まで現場で作業して完成させた物件に、おかげさまで若尾さんのような方が入ってくれたことは本当にありがたいし、自分たちのスタイルが、万人受けはしなくても需要は必ずあると確信できたのが嬉しかった。
これは異論や疑問もあるでしょうけど、仮に予算に合うもので、場所や築年数など数字的スペックが高かったとしても、その物件が持つ佇まいや雰囲気、周辺環境の空気にピンとこなければ、僕は手掛けたいと思わないんですよ。

柄美さん

「大家と店子(たなこ)の距離は近すぎてはいけない」「やり方が甘い」と言うオーナーさんや管理会社の諸先輩は大勢いらっしゃると思います。私たちのやり方で今までトラブルもなくこられたのは、たまたま運が良かっただけかもしれません。でも私たちは小規模でやってますから、やり甲斐を大きく感じられる方を重視したいです。ほかの物件でも、入居者さんたちと親しくお付き合いさせていただいているのですが、そのおかげで本当に多くのプライスレスなものを得てきました。だから、これを私たちのスタイルとして、これからも続けて行こうと思います。

取材・執筆:久保田大介

撮影:みのもけいこ

 

  • この記事を書いた人

久保田 大介

『ワクワク賃貸』・編集長。有限会社PM工房社・代表取締役。 コンセプト型賃貸物件の新築やリノベーションのコンサルティングを柱に事業を展開している。 2018年1月より本ウェブマガジンの発行を開始。 夢は「毎日ワクワク、楽しみながら暮らせる賃貸住宅」を日本中にたくさん誕生させていくこと。

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