《 入居者インタビュー 》

元・接骨院だった店舗スペースが「街のアート発信基地」に大変身!~賃貸住宅をDIYでギャラリー」兼「仕事場」兼「住居」にした夫婦のリノベ・ストーリー

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東京・「池袋」駅から東武東上線に乗って約30分のところにある「上福岡」駅。ここは高度成長期以降には人口が激増、一時期は人口密度が日本一だったそうですが、最近では隣の「ふじみ野」駅への人口移動等を理由に、駅周辺にも空き物件が目立つようになったといいます。駅から飲食店街を歩いていくこと数分、ちらほらと民家が見え始める場所に、今回の物件がありました。ガラス越しに見える、レトロでおしゃれな空間に、思わず「ここは何?カフェ?それとも…」と中を覗き込んでしまいます。

トモシさん:都内の飲食チェーンで働く会社員。40代。

ケイコさん:フリーランスのグラフィックデザイナー。40代。

 

物件ありきのお引っ越し。
不動産サイトで見つけた空間と条件に一目惚れ。

路上に面したサッシガラスから、明るい日差しが差し込む、ギャラリー兼仕事場の1階には、大きなテーブルに椅子が4脚、その他にアンティークの長椅子やコーヒーテーブルが置かれています。床、天井、壁、入口のサッシ部分――全てが絶妙に「調和」している和みの空間でインタビューが始まりました。

ここで暮らし始めたきっかけを伺ってもいいですか?

トモシさん

はい。以前は武蔵小山に住んでいたんですが、駅前の再開発で立ち退くことになったんです。スナック街だったので夜はあちこちからカラオケの歌声が聞こえてくるという感じで常に賑やかでした。

ケイコさん

「できれば自宅に仕事場が欲しい」と言っていたら、トモシさんが不動産サイトをいろいろ見てくれて、R-STOREで「DIY歓迎」と紹介されているこの物件を見つけてくれたんです。私はふたつ先の「川越」駅の出身なんですが、上福岡のことはよく知らなくて、どんなところか行ってみようってなって、内覧に来たんです。

初めからDIYするつもりでの入居だったんですね。

トモシさん

そうですね。僕が飲食業界で仕事をしていて、店舗づくりの経験もあったので、自由にDIYをしてもいいというのは魅力的でした。

ケイコさん

この物件はもともと1階が接骨院だったそうですが、初めて見たときはそういう設備も何もなくて、ただのガランとした空間でした。ここをふたりで一緒にDIYして、ギャラリー兼職場にするんだと思ったらもうワクワクしてきて、すぐに申込みをしました。

実際、DIYは楽しかったですか?

トモシさん

楽しいは楽しいけれど、住みながら作業していたので、とにかく時間がかかりました。秋や春はよかったのですが、冬は寒くて大変でしたね。埃なんかがすごいから閉めっきりでやることができないので(笑) 完成までに10ヵ月もかかってしまいましたが、それも原因だったと思います(苦笑)

ケイコさん

最初、床をいじるつもりはなかったのですが、歩いてみたら床がかなりガタガタで、立ってるとクラクラしてくるから、これは直そう、と。それと、入って右側の壁に3枚の装飾鏡があって、作品を展示するのに邪魔だから何とか取り外したくて。そんなことを言ってたら次第に大掛かりなものになってしまいました。この物件のオーナー様が材木店を営んでおられて、床の立ち上げや壁に板を渡らせる作業など素人では難しい工事を格安で引き受けてくださって本当に助かりました。

トモシさん

僕たちはDIY経験が浅いので、要所要所でDIYに詳しい友人が手伝いに来てくれたのもありがたかったです。

ケイコさん

フローリングに使った足場板を切って並べる作業と、黒板の上のブリックタイル貼りの作業は、ふたりとも途中から口数が減るほど大変でした。

使っているアンティーク家具もとても素敵ですね!

ケイコさん

入口に置いている和箪笥は駅の向こう側にあるリサイクルショップで見つけて、ここまで台車に乗せて運んだんですけど、それもしんどかった(笑)アンティークはもともと持っていたものもありますが、ほとんどのものはネットで見たあと店舗に行って実物をじっくり見てから購入しました。折りたたみ式のアンティークのシネマベンチは、昨年の夏にインターネットで見つけてものすごく気に入ったので、実物を見る前に店舗に電話して取り置きしていただきました。

おふたりとも、趣味や意見が合うんですね。

ケイコさん

うーん、そうでもないです。たとえばトモシさんが「玄関の土間部分に芝生を敷きつめたい」なんてことを言い出した時には断固反対しましたし。

トモシさん

僕がいろいろアイデアを出すんですが、却下されます(苦笑)。

ケイコさん

土間の芝生以外は却下してないです、たぶん・・・。全体の構想はトモシさんが描いてくれて、ほとんどトモシさんの提案したままですが、どうしても譲れないところだけは却下(笑) だけど完成して第一に思ったのは、趣味や好みがかなり違うふたりで作業したのに、どちらかに偏りすぎず、調和された仕上がりになっていて、それはびっくりしました。

 

人の部屋や暮らし方より、自分たちの暮らし方が好き。
たくさんの人が来て、この場所をほめてくれると嬉しい。

このアートギャラリーはどんなことに利用されているんですか?

ケイコさん

はじめのうちは自分の作品を展示してたのですが、徐々にいろんなことにご利用いただけるようになりました。作家さんの作品展示以外にも、靴下でぬいぐるみをつくるワークショップを開いていただいたり、映画の上映会をしたり、月に一度お花の教室を開いてくださる先生がいたり。あと、棚で仕切られたギャラリーの隅に小さなデスクとパソコンを置いて仕事場にしています。

ここをリビングにして食事をとったりはしないのですか?

トモシさん

前に一度、ここで缶ビールを飲んでたら「やめて!」と怒られました(笑)

ケイコさん

ギャラリースペースは私物化してほしくないんです。イベントなどでの飲食はよいのですが、私たちがここでダラダラお酒を飲んだり、ごはんを食べたりするのは利用者の視点で見ると違うと思っています。この空間にはできるだけ生活感を出したくないというこだわりがあります。

ギャラリー以外の住居部分の住み心地はどうですか?

ケイコさん

使い勝手が良くて、暮らしやすいです。2階にはダイニングキッチンと寝室、1階にお風呂と洗濯機置場があるんですが、普通に綺麗といった印象です。

トモシさん

強いて言えば、古い木造住宅なので、ちょっと寒いところが玉に瑕かなあ。

本当に素敵な暮らしですよね。
どんな時にここを選んで、DIYして良かったと思われますか?

ケイコさん

この場所を気に入ってほめていただいたり、ご利用していただいたりする時は本当に嬉しいです。

トモシさん

いろんな暮らしがあると思うんですけど、他人の暮らしを羨ましいとは思わないですね。自分たちの家が一番いい。

 

いつの日か隣家との壁をぶち抜きたい??
果てしない夢が拡がるDIY賃貸住宅

これから先、手を加えたい部分はありますか?

ケイコさん

大家さんの許可をいただけたら、手をつけられていないトイレ部分を改装したいですね。あとは、この天井を抜いてしまって、吹き抜けにしたりしても面白いかなあなんて夢見ています。許してもらえないと思うけど(笑)

トモシさん

実は、この隣も同じガレッジハウスシリーズなんですよね・・・連棟になっているので、隣も借りることができたら、壁をぶち抜いてしまってこの空間をもっと広く使うことも想像してしまいます。

(驚きながら)ええ!それはもう…ずっと住み続けるしかないですね。

ふたり

(口を揃えて)もちろんです!

ケイコさん

お金を貯めてオーナーさんにこの家を売ってほしいって思うぐらい今の暮らしとこの空間が気に入っています(笑)

 
取材・執筆:株式会社HelloNews
イラスト:コミック堂

 

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HelloNews

株式会社HelloNews(代表取締役 吉松こころ) 2015年4月設立。賃貸住宅のオーナー様や不動産会社様向けに情報を配信するミニ通信社。 不動産業界、建設業界で働く人々にスポット当て、取材をしている。 定期刊行物として、「Owner's Way」「GREEN HEART」を発行。 「賃貸住宅をもっとおもしろく。もっと豊かに。」をコンセプトに、独自の視点からニュースの深堀りを発信するニュースサイを近日オープンする予定

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