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《 ワクワク賃貸妄想中 》Vol.015

『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』と『ワクワク賃貸®』の違い

投稿日:2019年2月28日 更新日:

読者の方からの指摘

今年の1月から「ワクワク賃貸物件集」では小説スタイルで物件紹介をするという試みを始めています。
主人公=「ワクワク不動産」の和久幸太郎(わく・こうたろう)が、お部屋探しを依頼されたクライアントの好きなこと、趣味をもとに、その方にぴったりのワクワク賃貸物件を紹介する、という簡単なストーリーです。
和久に案内されているうちにクライアントにとって「気に入らない点」が見つかり、この物件では決まらないかも?というムードになりますが、最後に和久が「ワクワクポイント」を紹介し、形勢は逆転します。
まだ読んだことがない方は、下記をクリックして是非ご一読ください。

  《案内人 和久幸太郎》

   第1話『光風』
   ◆第2話『蒼空』

読んでくださった方たちからは、まずまずの評価をいただけて、上々のスタートとなりましたが、複数の方より
「漫画の『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』にテイストが似てますね」
というご指摘をいただきました。

僕は『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』という漫画の存在を知らなかったので、さっそくアマゾンで購入に読んでみました。

 

『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』の内容

漫画の内容をかいつまんでご紹介しますと・・・

吉祥寺で「重田不動産」という不動産会社を営んでいる重田姉妹(双子)のところに、「吉祥寺に住みたい!」というお客様(クライアント)が来店します。
クライアントには2つの共通点があります。
ひとつは「吉祥寺に憧れ、暮らしたいと思っている」こと。
もうひとつは、「悩みや問題を抱え、引っ越しを検討している」ことです。
重田姉妹は、吉祥寺を愛していますが、どこにでもある街へ変貌しつつある姿に不満を抱いてもいて、クライアントの悩みや問題も一緒に解決できる“吉祥寺以外の街”に強引に連れて行き、その魅力を伝えます。
そして今のクライアントにぴったりのお部屋を紹介し、入居申込みをいただく・・・

そんな物語です。

僕は取り急ぎ第1巻だけ読みましたが、1巻では雑司ヶ谷、五反田、錦糸町、駒沢大学、中野が取り上げられていました。

どの街もその魅力や良さがよく伝えられていて、クライアントが新しいスタートを思い描き、希望を抱くストーリー展開も面白いものでした。

2016年10~12月期にはテレビ東京でドラマ化もされたようで(主演は森三中の大島美幸さんとメイプル超合金の安藤なつさん)、当時の放映を観ていた妹夫婦によると、ドラマもかなり楽しかったそうです。

 

「街」だけが物件探しの条件ですか?

さて僕は、『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』を面白いと思いましたし、「『案内人 和久幸太郎』とテイストが似ている」というご指摘も「確かに・・・」と感じましたが、一方で「根っこはずいぶん違う」とも思いました。

なぜなら、僕・・・というより、このウェブマガジン「ワクワク賃貸®」では「街」をたいして意識していないからです。

 

そもそもなぜ「ワクワク賃貸物件」をつくろうと思ったかと言いますと、世に出ている賃貸物件は金太郎飴みたいにどれもこれも同じものばかり。その金太郎飴物件が、吉祥寺などの人気エリアにあるのか、ターミナル駅からうんと離れた無名の駅にあるのかによって家賃が変わっているだけ、という状況を非常につまらないことだと考えたからです。

 

「街ありき」の思考はポータルサイトにも表れていて、どのサイトも最初に「駅」を選択するようになっています。

それから「駅からの徒歩時間」「部屋の構造」「広さ」「間取り」などを選ぶと、条件に合う物件が列挙されます。

物件が金太郎飴みたいなものばかりだから、このポータルサイトの検索スタイルは実に正しく、合理的なものになっているわけです。

 

「物件ありき」の物件探し

でも、そうではなく、まず何より「物件ありき」。この物件がいい、この部屋に住みたい!という気持ちが最優先。「街」は通勤・通学に不便じゃなく、治安が悪くないのなら、どこでも構わない。

そういう物件探しをする方たちが増えてきたら、どんなにか面白いことだろう。

僕はそんなふうに考えます。

 

「街」が重要な要素じゃない、とか、「街」で住む部屋を探すことがいけないことだ、とか言うわけではありません。

それはこれまでも王道でしたし、これからも王道であり続けることでしょう。

けれども、自分がやりたい趣味を思う存分楽しめるとか、憧れていた暮らし方が実現できるとか、そんなお部屋があるのなら「街なんて二の次、三の次」とか思う方たちがもっといっぱい出てくるといい。

そうしたら、人気がさほどない街に土地や賃貸物件を持っておられる大家さんたちにも光明が見え、「ワクワク楽しい物件をつくっていこう」と考える方も増えていくと思うのです。

そういう意味では『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』は、とても面白いとは思いつつ、実はあまり共感しませんでした。

吉祥寺でも五反田でも錦糸町でも駒沢大学でも中野でも、「街」を基準に物件探しをすることに変わりはないからです。

『案内人 和久幸太郎』の第1話は荻窪、第2話は川崎で、どちらも人気の駅のひとつでしたが、僕は「街はどうでもいい」と考えているので、街情報は最小限にとどめました。

それでも第1話を配信したあと「『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』に似てますね」というご指摘をいただいたので、第2話では思い切って、「話をしてたらあっという間に物件に着いてしまった・・・」という設定にしてしまいました。

おヘソが曲がっているのです。。。

 

他人がつくったブランドよりも・・・

先日、「入居者インタビュー」で小田急線「玉川学園前」にあるワクワク賃貸物件に住まわれているご夫婦を取材させていただいたとき、

「玉川学園前はもともと好きな街でしたか?」

と質問しましたら、

「いえ。引っ越してくるまでは全然予備知識がありませんでした」

と答えられました(玉川学園前にお住まいの方、気を悪くされたらごめんなさい)。

そして、

「私たち夫婦の場合、はじめに“物件ありき”で部屋を探していたので、どの街に住むかは気にしたことがありませんでした」

と続けて言われました。

 

住んでみたら通勤も意外に便利だとわかり、静かで落ちつたいい街なので好きになられたそうですが、「街」は全くと言っていいほど「物件選びの基準」にしていなかったと目の前で言い切っていただけて、とても嬉しく思いました。

 

このご夫婦みたいな方がたくさん増えてきたら、ワクワク楽しい物件もきっと増えていくに違いありません。

「住みたい街」は他人がつくったブランドとも言えます。

大勢の人たちが、長い時間をかけて一流のブランドにした街は確かに魅力的ですが、そういうものより、自分らしい暮らし方ができる賃貸物件を選び、自分ブランドの賃貸ライフを一からつくっていくというのもいいのではないでしょうか?

 

「ワクワク賃貸®」はそういう方たちを応援するサイトでありたいと切に思う次第です。

 

執筆:久保田大介
イラスト:コミック堂

 

  • この記事を書いた人

久保田 大介

『ワクワク賃貸』・編集長。有限会社PM工房社・代表取締役。 コンセプト型賃貸物件の新築やリノベーションのコンサルティングを柱に事業を展開している。 2018年1月より本ウェブマガジンの発行を開始。 夢は「毎日ワクワク、楽しみながら暮らせる賃貸住宅」を日本中にたくさん誕生させていくこと。

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