《 コレクティブハウスの暮らし 》Vol.013

年末年始のコレクティブハウス

投稿日:2022年1月20日 更新日:

皆さん、こんにちは。コレクティブ研究家の久保有美です。
2022年も私はコレクティブな暮らし方=「つながり、ともに働く、フラットな関係」という暮らし方について日々考え活動していきたいと思います。よろしくお願いします。

皆さんは年末年始をどのように過ごされましたか? 今回はコレクティブハウスの年末年始の様子をご紹介したいと思います。年末年始、コレクティブハウスでは入居者が果たすべき役割も多いですが、楽しいことも多いです。

まずは、大掃除をみんなでします。毎年、年末の大掃除を大々的に実施しますが、数年前から、夏にも大掃除をすることで、年末の大掃除を軽減できるようにしています。掃除は毎月全員が協力してやっていますが、時間がかかるものはなかなかできません。大掃除では、廊下の窓やサッシュ、網戸をきれいにしたり、ウッドデッキを高圧洗浄したり、エアコンのフィルターや内部、コモンキッチンの換気扇の汚れを落としたりなど、時間と手間のかかる箇所をまとめてやります。

これらの場所はすべて共用部に当たります。賃貸物件において、共用部の維持管理をするのは大家さんだと認識している方が多いですが、法律でそう決まっているわけではありません。私たちのコレクティブハウスでは、共用部のコモンスペースを維持管理するのは居住者組合の役割とする契約を大家さんと締結しています。

今回の冬の大掃除ですが、私は仕事の都合で一緒に作業ができなかったので、後日作業としました。全員でやれば早いですが、居住者にもそれぞれの都合があります。めいめいができる時にできることをやる、という共通認識を居住者は持っているので、役割を全うできるのです。

何年か前に、大家さんがしめ縄作りのレクチャーをしてくださり、居住者が集まって各自のお正月飾りと、ハウス用の飾りをつくったことがありました。コレクティブハウスの暮らしをしていなければこんな機会はなかったな、と思いました。でき上がったお正月飾りは役目を終えたら、地域のどんと焼きに持っていってもらいます。私は仕事で行けなくて、他の居住者さんに託していましたが、こういうつながりもありがたいです。

また、コロナ前には、コレクティブハウスの暮らしを地域にも知ってもらう場として「これからカフェ」というイベントを2ヶ月に1回開催していました。その一環として年末には餅つきと芋煮会をやっていました(新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、2020年から開催されていません)。

地域の餅つき名人パパに協力してもらい、きねや臼は大家さんからお借りして、コレクティブハウスのコモンキッチンでもち米を蒸して、餅つきの準備をするのも年末の恒例行事でした。

年が明けてからは、ハウスとしての恒例行事は特にないのですが、お雑煮をつくって、振る舞ってくれる居住者もいます。お雑煮はそれぞれに慣れ親しんだものがありますよね。私は京都出身ですので白味噌のお雑煮が一番馴染みがあります。そうしたさまざまなタイプのお雑煮を食べられるというのは貴重な機会といえます。ちなみに私は年末年始を実家で過ごす事が多いため、居住者が作ってくれるお雑煮をまだ食べたことはありません。残念。

いろいろな出身地の居住者がいるので、お雑煮以外のことでもそれぞれのお正月の習慣などを知ることができます。互いの違いを知り、比較する機会を持てる暮らしは面白いなと感じています。

2022年もコレクティブハウスでのさまざまな出来事や感じていることなど、連載でお届けできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

文:久保有美

  • この記事を書いた人

久保 有美

不動産フリーエージェント。京都出身(京都いうても西の方) 好きな数字:3&9 宅地建物取引士 社会福祉士 賃貸不動産経営管理士 大学でコレクティブハウスという暮らし方に出会う。京都でコレクティブをやりたいと言い続け、建築会社・不動産コンサルティング会社を経て2021年に独立。 新たな暮らし方の提案、福祉と不動産の連携を目指す。

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