《 コレクティブハウスの暮らし 》Vol.014

他人から見たコレクティブハウスの居住者同士の関係性

投稿日:2022年2月24日 更新日:

皆さん、こんにちは。コレクティブ研究家の久保有美です。
私はコレクティブな暮らし方=「つながり、ともに働く、フラットな関係」という暮らし方について日々考えています。

最近、私は週3日の仕事があり埼玉まで通っています。その通勤でコレクティブハウスの居住者と一緒の電車になり、降りるまでいろいろと話をすることがあります。
以前のコラムでもお伝えしましたが、私はコレクティブハウスの居住者のことを、“家族でもなく友人とも違う、でも知人なんて遠慮がちな関係でもない、なんだか安心できる関係“だと感じていますが、車内の人たちからは、私たちの関係性がどのように見えているのか、気になりました。

毎朝の通勤が一緒になるのは、中高年の女性です。友人と見えなくもないですし、仕事関係の同僚に思われているかもしれませんが、私が途中で乗り換えのために降り、同じところまで行かないから、そうでないことはわかります。 そして、車中では今日のミールは何か、昨日のミールは美味しかったなど、一緒のものを食べているらしいことがわかる会話をしたりします。そうなると、姉妹なのか?という見え方もできるように思います。
さらには定例会のことやみどりの活動のことなど、同じ家に住んでいるとわかる会話もしますので、そうなると、やはり親族に見えるだろうか、と思うこともあります。
車中の会話を誰かがずっと聞いていることはないので、そんなふうにあれこれ想像する人もいないとは思うのですが(笑)。 

これはハウスのほかの人と同じ電車に乗り合わせたときも同様です。同年代の人だと友人に見えると思いますが、子どもや学生たちと同じ電車になったときなどは親子に見えてしまうかもしれません。
外の人にはコレクティブハウスの居住者同士はどのように見えているのか、機会があれば聞いてみたいものです。

ところで電車に一緒に乗っている女性のことを「中高年」と書きましたが実は私、その方の正確な年齢は知らないのです。だいたいこれぐらいの年齢だろうなぁ、という推測はあるけれど、何歳かまではわかりません。

上の画像は仲の良いスイーツ好きな居住者さんですが、年齢はほぼひと回りは違うと思うお姉さんです。

ほかのコレクティブハウスの居住者についても私は正確な年齢を知らない人がほとんどです。聞いていなくても日常で困ることもなく、暮らしていくために必要のない情報だと思っています。コレクティブハウスで暮らすなかで、テレビの話題や、自分が見てきたアニメ、聞いてきた音楽、学校の給食はどうだったか、などの話をすると、ジェネレーションギャップからおおよその年齢はわかります。両親に近い年齢の方がいらっしゃるということも、母の話をしていたときにその方の年齢を偶然知り、わかったほどです。意識的に年齢を聞くということはなく、暮らしているうちになんとなく把握していくという感じです。

コレクティブハウスで生活するようになって、年齢の離れた友人・知人が多くなりました。社会人になってから、仕事以外で友人が増える機会はそんなに多くありませんが、コレクティブハウスで暮らしていると、親や祖父母の年代から、小さな子どもまで、交友関係が幅広くなっていくことは、これまでのコラムを読んでくださっている皆さんには伝わっているかと思います。

実際にコレクティブハウスの居住者の誰かと出かけた時に「お友達ですか?」と聞かれたら、コレクティブハウスのことをあまり知らない人には“ご近所さんの友人”と言ってしまいます。コレクティブハウスのことを知っている人には“同じコレクティブハウスの居住者さん”だよと伝えます。
多くの方に“コレクティブハウスの居住者さん”と紹介したいですが、まだまだコレクティブハウスの存在は知られていませんので、居住者として紹介することは多くありません。このコラムを通じて、「コレクティブハウス」といえば誰もがその暮らしや居住者同士の関係性をイメージできるようにしていけたらいいなと思っています。

文:久保有美

  • この記事を書いた人

久保 有美

不動産フリーエージェント。京都出身(京都いうても西の方) 好きな数字:3&9 宅地建物取引士 社会福祉士 賃貸不動産経営管理士 大学でコレクティブハウスという暮らし方に出会う。京都でコレクティブをやりたいと言い続け、建築会社・不動産コンサルティング会社を経て2021年に独立。 新たな暮らし方の提案、福祉と不動産の連携を目指す。

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