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《 コレクティブハウスの暮らし 》Vol.003

子どもと関わる暮らしの中での気づき

投稿日:2021年3月18日 更新日:

皆さん、こんにちは。コレクティブ研究家の久保有美です。
私はコレクティブな暮らし方=「つながり、ともに働く、フラットな関係」という暮らし方について日々考え活動しています。

私の暮らしているコレクティブハウスには多世代の人たちが暮らしています。どれくらい多世代かというと、0歳児から70代までの年齢の人が住んでいます(2021年2月末現時点)。

大人23人、子ども11人、全部で20世帯のうち5世帯が子育て家族です。
子どもは0歳乳児から高校生までいますが、ハウスの居住者同士では0歳児から小学生たちの話題が多いです。

わたしは単身で暮らしているので、普通の賃貸マンションであれば子どもと関わることはほとんどない状況だったと思います。今回はコレクティブハウスならではの、子どもたちとの関わりについてお伝えしていきたいと思います。

単身者と子どもの接点はほぼ無い?

単身で暮らしている場合、子どもとの関わりがどんな形であるか考えてみると、1年のうちでも正月とお盆に親戚の子どもたちと会う、友人や知人の子どもと会う、近所の子どもと挨拶する、などではないかと思います。しかも挨拶の場合は私からの一方通行で、子どもと双方向に関わることはほとんどないように思います。これは単身者に限らず、DINKS(ダブルインカム・ノーキッズ)・カップルにおいても同様だと思います。

まして、2020年からのコロナウィルス感染拡大防止で、帰省することも減ったりなくなったりで、親戚の子どもや友人の子どもと会うこともなくなりました。年に数回の子どもとの関わりはほぼゼロになったも同然です。

しかし、コレクティブハウスで暮らしていると、親戚でもない、もともと友人でもない人たちの子どもと関わることが日常です。
それも、挨拶だけという一方通行ではありません。双方向の関わりです。

0歳Nちゃん:両親が夕食を食べている間、いろんな人に抱っこされて待ってます。大人たちはNちゃんに癒やされています。

親じゃない大人と子どもたちの関わり

コレクティブハウスにおいて、大人同士の関わり方は人それぞれで多様です。同様に子どもと大人の関わりにおいてもさまざまで多様です。 ハウスの子どもたちは、「怖い大人」「お友達の大人」「あんまり知らない大人」「親みたいな大人」などに分類しているみたいです。そう感じるのは、“同じこと”を別々の大人が注意したときに子どもたちの反応が違うようなのです。

ひとつ例を挙げてみます。
いつも仲良しな男の子2人(5歳・6歳)が、夕方ハウスの敷地内で自転車に乗って遊んでいました。ハウスの前の道は車も通るため、「道には出ない」と子どもと大人で約束をしています。

建物の外で遊ぶことは問題ないのですが、その約束を子どもたちが破る場合もしばしば見かけます。そんなときは、親以外の大人も、子どもに注意します。その注意に対する子どもたちの反応が大人によって違うようなのです。

道路の近くで遊んでいて、道路に出そうなところを見かけて、

  • 私が注意すると、「はーい!」と元気いっぱいのわかったのかわかっていないかわからない返事。
  • 子どもたちにとって「大人のお友達」であるTさんが注意すると、「わかってるー!」とこれまた元気でまったく気にしていない様子な返事。
  • 中学生の子どもを持つYさんが注意すると「はい!大丈夫!出ないから!」とピリッとした返事。

Yさんはこの時期の子どもたちの”子育て経験者”。子どもたちの安全から心配して怒ってくれます。それを子どもたちも「怖い大人」、怒るYさん、と認識しているようです。

この仲良し2人は、このコロナ禍でハウスにいる時間が増えた私にとって、関わることが多くなった2人です。それぞれ2020年には妹が生まれ、お兄ちゃんになりました。歳も近いのでとっても仲良しです。1人ずつだとちょっとおとなしいほうなのですが、仲良しすぎて、2人揃うと★無敵★です。何でもできる、無限のパワーがみなぎってくるのでしょうか、最近は2人そろうと“ちびっこギャング”化しています。それも可愛いのですが、大人たちはハラハラ・プリプリしっぱなしです。

2020年夏には町田市にオープンした「コレクティブハウス本町田」で都内のコレクティブハウス居住者たちが集まって、キャンプをさせてもらいました。「コレクティブハウス本町田」はコレクティブハウスとコモン付き賃貸がミックスしている新しいスタイルのコミュニティ賃貸「まちのもり本町田」内のコレクティブハウスです。コモン付き賃貸にお住まいの人は自主運営がないので、一般の賃貸と同じ暮らしをされています。

<まちのもりの概念図>まちのもり本町田ホームページより

このキャンプでもこの2人は大はしゃぎ。この当時「まちのもり本町田」は子どもがそんなに多くない状況だったため、子どもたちが大きな声で騒いでしまうと、コモン付き賃貸の入居者さんがびっくりすることも想定されました。なので、朝晩は大きな声で騒がないことをキャンプの最初に子どもたちと大人で約束をしていました。

最初はもちろんこの約束を頑張って守ってくれていましたが、そう長くは続きません。テント泊をした翌日の朝も、はしゃぎっぱなし。そこで2人に聞いてみました。

「朝と夜は、大きな声で騒がないって、最初に約束したよね?
大きい声が出ているけど……」

そうすると2人は
「だって楽しいんだもん!楽しいと約束忘れちゃうんだ!」

これには参りました。「そうかぁ、そうだよねぇ」と納得してしまったのです。

約束を忘れるということはないですが、私だって好きなことでテンションが上がってしまうと、時間も忘れて没頭してしまうこともあります。相手や周囲に迷惑をかけてしまうことは避けたいけれど、欲求に勝てないお年頃の子どもたちを見守り、時にはたしなめるのも周囲の大人の役割だな、と改めて気づきました。

子どもの元気な声は騒音なの?

コレクティブハウス暮らしの中だと、子どもたちと関わることがそもそも少ない単身者でも、子どもとの双方向の関わりが生まれやすいです。

子どもたちの元気な声は普通の賃貸住宅では時に苦情の元にもなりがちです。特にこの2020年からのコロナウィルス拡大防止で保育園の休園・学校の休校と、在宅勤務の重なりで普通の賃貸物件においては、特にこの苦情が増えたという管理会社からの声も聞きました。

「マンションに住んでいる人がその子どもたちと知り合いで、日常的に挨拶や双方向の関わりがあれば、苦情ということにはならないのにな。寂しい苦情だな。」

と、このハウスに住んでいると感じます。
子どもたちの元気な声や様子は、私にも元気を与えてくれ、冬でも半袖、走り回って、汗だくで、元気が一番!体力があるって素晴らしい!と気づかせてくれます。

もちろん、騒いではいけないタイミングや場所もあるので、そこは親も含めた周囲の大人たちが注意を払うことは必要です。

トンボを追いかける2人

コレクティブハウスだから子どもと関わらないといけないとか、子どもの世話をしないといけない、とかそういう話ではありません。私が関わりたいから子どもとお話したり、抱っこさせてもらったりしています。抱っこしている間に両親が用事を済ませられたり、ご飯をゆっくり食べられたりできるのであれば、「いつでも言って!」と私は声をかけています。

コレクティブハウスでの暮らしで私が大事に思っていることは、どうしたいかを自分で決めることです。それは大人との関わりだけでなく、子どもとの関わりにおいても同様に、自分が決めることが大事で、相手や周囲に強要されるものでもないと思います。

子どもたちはどう感じているのか?

大人からすると、子どもたちとの関わりは発見がいっぱいです。でも逆に子どもたちからすると、自分の親以外の大人がたくさんいる暮らしはどのように感じているのでしょう?4月になるとまた新学期で子どもたちの環境(入学・進級・入園等)も変わってくるので、落ち着いた頃に子どもインタビューもやってみたいと思っています。
子どもたちからどんな思いや意見が出てくるのか、今から楽しみです。

文:久保有美

  • この記事を書いた人
久保 有美

久保 有美

不動産フリーエージェント。京都出身(京都いうても西の方) 好きな数字:3&9 宅地建物取引士 社会福祉士 賃貸不動産経営管理士 大学でコレクティブハウスという暮らし方に出会う。京都でコレクティブをやりたいと言い続け、建築会社・不動産コンサルティング会社を経て2021年に独立。 新たな暮らし方の提案、福祉と不動産の連携を目指す。

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