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《 アトリエ賃貸推進プロジェクト 》Vol.011

シェアアトリエの事例研究(2)~造形美術作家と木工職人が共同利用する飛騨高山のシェア工房を訪問

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シェアアトリエの事例研究・第2弾

北奥美帆さん@瓜巣のシェア工房

美術作家をはじめ、モノづくりに取り組んでいる方たちが望まれる創作環境とはどのようなものか? アトリエ・工房付きの賃貸住宅=「アトリエ賃貸」を増やすことを目的に始めた「アトリエ賃貸推進プロジェクト」では、まずその調査研究からスタートしています。
Vol.008で東京都豊島区にあるシェアアトリエを取材しましたが、今回は木彫・造形作家さんたちにとって理想のシェアアトリエについて考察すべく、飛騨高山にあるシェア工房=通称「瓜巣のシェア工房」を訪ねてきました。
取材に応じてくださったのはVol.005でご協力いただいた美術作家集団「JIAN」にも登録されている北奥美帆さんです。北奥さんの“肩書き”は「造形系ソファ屋さん」。実用できるアート作品を手掛けておられる美術作家です。
北奥さんが5年前(2016年)からメンバーとして利用しているシェア工房の全体像と運営について詳しくレポートいたします。

 

[北奥美帆(きたおく・みほ)さんのプロフィール]
造形系ソファ屋さん。主な技法は木工・椅子張り。
大阪府生まれの三重県育ち。
2013年、東京藝術大学デザイン科卒業後、飛騨高山の家具メーカー・柏木工株式会社に入社。素材と加工について学びつつ、社外に工房を借りて自身の作品もつくり続ける。
2017年、「工芸都市高岡クラフトコンペティション2017」にてグランプリ受賞。
2018年、柏木工勤務を半日のパートに切り替えフリーランスに(2021年退社)。
2019年、「SICF20」出展。
2021年、1級家具製作技能士(いす張り)取得。
同年「KOGEI Art Fair Kanazawa2021」出展。

5人の家具職人さんが始めたシェア工房

「瓜巣のシェア工房」外観。

「11月も下旬になると雪が降り始めるので、その前にお越しになるといいと思いますよ」
10月半ばに取材を申し入れたとき、北奥さんはご快諾くださったあと、そう言い添えてくれました。
飛騨高山には確かに屋根に大雪が降り積もるイメージがありますが、そんな早い時期から降るとは知らず、慌ててスケジュールを調整。私の住む埼玉県富士見市からは北陸新幹線を利用しても片道5時間近くかかるので、前日現地入りし、翌日ゆっくり見学できる日程を探し、11月17日・18日に出掛けてまいりました。

薪ストーブのそばで北奥さんにお話を伺う。

「瓜巣のシェア工房」はJR高山本線「高山」駅から車で20分ほどの場所にあります。最寄り駅は「飛騨国府」駅ですが、そこからも車で10分ぐらいはかかるとのこと。当日はちょっと道に迷ってしまい、約束の10:00を少し回ってしまっての到着となりましたが、北奥さんはニコニコ笑いながら薪ストーブを焚いて待っていてくれました。11月中旬の飛騨高山は都心に比べ気温が5℃ぐらい低く、朝晩はかなり冷えるので、もうストーブの出番なのだとか。ストーブも薪を利用しているところがさすが飛騨高山という感じで、北奥さんが気を遣って薪をふんだんに投入してくださったので、暖かい環境でゆっくりお話を伺うことができました。

「瓜巣のシェア工房」の内部。左側がメンバー各自の区画。右側は共同作業場。

工房は全体で250㎡ほどの広さがある平屋の建物で、天井高も3~4m近くあります。ずいぶんと古いに違いないけれど、鉄骨造だから頑丈そう。元は何の建物だったか訊ねると、「噂で建具屋さんだったとか、ホウレンソウの出荷場だったとか聞いていますが、どっちが本当かは怪しいです(笑)」(北奥さん)とのこと。増築もしているから正確な面積もよくわからないご様子です。
建物内部はメンバーそれぞれの専用区画と、共用している設備が置かれている共用スペース、塗装スペース、作品保管スペース、事務所スペースから成っていて、メンバーでつくったトイレ(男性用と男女兼用1つずつ)、シャワールーム(現在はボイラーが壊れてしまっていて、お湯が出ない)があります。

北奥さんが利用している区画。

専用区画はそれぞれ25㎡ほど(幅3.5m×奥行7m程度)のものが全部で5区画あります。
区画はオープンになっていて、柱を目安に区切っている感じ。床は土間仕様で、照明は蛍光管を使っておられました。

 

スライド形式でご紹介しているのは共用できる設備です。このほかに手押しカンバ盤(基準面を作る)、昇降盤(縦割り・溝突き・ホゾ取りなどに使う)、糸鋸(細かいくり抜きに使う)、面プレス(接着・組み立て)、コンプレッサー(タッカー、ダブルアクション、オービタルなどのエア工具の掃除に使う)などがあります。

塗装スペース。

塗装したものを乾かすスペース。ホコリがかからないよう防塵仕様になっている。

塗装したものを保管するスペース。

続いてご紹介するのは塗装関連のスペース。こちらは塗装作業をする場所、乾かす場所、保管する場所に分かれています。乾かすスペースはホコリがかからないようビニルハウスのように覆われています。

作品を保管するスペース。

保管スペースは駐車場に直結している。

最後に紹介するのは作品を保管するスペースです。保管場所は複数ありますが、写真は駐車場に直結しているスペースのもの。
駐車場へつながる扉は引き戸になっており、2500mmほどの高さがあるから作品の搬出がしやすいそうです。

「瓜巣のシェア工房」の運営

北奥美帆さん。

工房の概要をざっとご紹介しましたが、ここからは北奥さんへのインタビュー形式で「瓜巣のシェア工房」の運営について詳しくご案内してまいります。

⎯⎯⎯⎯ 「瓜巣のシェア工房」は、いつ、どなたが始められたのですか?

北奥:2012年に5人の家具職人さんが始めたと聞いています。転勤などの理由で抜けた区画は人が入れ替わるので、初期からいるメンバーは2人です。私は2016年から仲間に入れてもらいました。

⎯⎯⎯⎯ 立派な設備が揃っていますが、これらは皆さんで設置されたのですか?

北奥:初期メンバーがお金を出し合って購入したものが多いですが、個々のメンバーの私物もあります。それらは所有者の好意で使わせてもらっている感じです。

⎯⎯⎯⎯ これだけ設備があるとメンテナンスも大変そうですけれど、それはどなたがやっているのでしょう?

北奥:メンテナンスには刃物の研磨などがありますが、自分たちでは研磨できないものもあるので定期的に外注しています。費用は人数割りして、全員で負担しています。

⎯⎯⎯⎯ メンテナンス費用の話が出たところで、このシェア工房の利用料金を教えてもらえますか?

北奥:地面代が10,000円で・・・

⎯⎯⎯⎯ えっ?地面代って何ですか?

北奥:ああ、それは区画利用料のことです(笑)。私たちは地面代と呼んでます。ほかに修繕積立金があって、そこまでは定額。あとは水道光熱費、刃物の研磨代、保険代などの実費を人数割りしていて、全部で毎月18,000円程度を支払っています。

⎯⎯⎯⎯ 地面代も入れて18,000円はずいぶんと安い!

北奥:共用スペースや設備の利用料も含んでの金額ですから、確かに安いと思います。

トイレの壁に掃除当番表が貼ってある。

⎯⎯⎯⎯ 現在のメンバーの年齢構成はどんな感じですか?

北奥:区画は5つですが、ご夫婦で1区画を分けて使っている方がいるのでメンバーは全部で6人います。年齢は20代が1人、30代が3人、40代が1人、50代が1人という構成です。

⎯⎯⎯⎯ 北奥さんのほかに美術作家の方もおられますか?

北奥:美術系は私ひとりです。ほかは家具職人さんで、フリーランスの人だけでなく、会社勤務をしながら夜や週末に利用される人もいます。

⎯⎯⎯⎯ シェア工房ですから、役割分担もあるのでしょうか?

北奥:会計、機械のメンテナンス、刃物交換、掃除などの役割をみんなで分担しています。

⎯⎯⎯⎯ トイレのところに掃除当番表が貼ってありましたが(笑)、この工房は全体的に整理整頓されていて、とてもきれいな印象です。

北奥:すごくきれい好きな方がいて、みんなに掃除を呼びかけてくださるので助かってます(笑)。

⎯⎯⎯⎯ ここに皆さんがいるときに「掃除しようよ!」と大声で言ったりするのですか?

北奥:いいえ、Facebookでメッセンジャーグループをつくっていて、そこで呼びかけられることが多いです(笑)。

専用区画の全体像。

⎯⎯⎯⎯ ランチ休憩などは全員で一緒に取るのでしょうか?

北奥:いやぁ、それはないですね。みんな、それぞれ自分のペースで作業をしていますから。

⎯⎯⎯⎯ おしゃべりはあんまりしない感じですか?

北奥:ご覧の通りオープンな空間ですから、誰がどんな作業をしているかわかります。だから、空気を読んで話しかけます(笑)。

⎯⎯⎯⎯ 設備や塗装スペースを使うときなどは予約制ですか?

北奥:大量に作業するときは前もって通達するときもありますが、普段はそのへんも空気を読みながら(笑)。

⎯⎯⎯⎯ あんまりガチガチにルールを決めず、空気を読んで判断するというのがポイントのようですね。

北奥:あと、足りない手を補い合うというのもポイントかと思います。たとえば大きなものをつくったとき、ひとりでは動かすことも運ぶこともできません。そんなときすぐ手を貸してくれる仲間がそばにいるというのはありがたいですよ。

周辺は建物が密集していない。

⎯⎯⎯⎯ ところで木工、木彫と言うと音の問題がつきまといますが、こちらのシェア工房ではどうですか?

北奥:音は確かにすごいと思います(苦笑)。個々が製作する音も大きいですが、木工用の機械は全般的にうるさいです。集塵機なんかすごい音がしますよ。試しに聞いてみます?

⎯⎯⎯⎯ はい、是非!(そう言って聞かせていただいたが、確かに大変な音がするので、外に出てみた)

北奥:どうでしたか?

⎯⎯⎯⎯ ここを出て50mぐらい先まで歩いてみましたが、そこでも聞こえました。でも周辺に家が密集していないから大丈夫な気もしましたよ。

北奥:周りの家も、お米の乾燥機だとかトラクター、草刈り機、チェーンソーなどがなかなかすごい音を出しますし、畜産の臭いもしますから、そのへんはお互いさまなのかなあ、と(笑)。

⎯⎯⎯⎯ シェア工房は夜間も利用可能なのですか?

北奥:夜間も利用していますが、音を出す作業はしないよう気をつけています。お隣りに大家さんも住んでいらっしゃいますしね。

北奥さんの自宅。古民家を購入し、リノベーション工事を行った。

⎯⎯⎯⎯ メンバーの方はどのへんに住んでおられるのでしょうか?

北奥:車で10~30分程度のところに住んでいます。自宅を購入した者もいれば、賃貸に住んでいる者もいます。周囲に食堂がないから、お昼時はいったん家に帰る人も多いですよ。

⎯⎯⎯⎯ 北奥さんはどういう家に住んでいますか?

北奥:私は近くで2DKのアパートを借りていましたが、結婚し、古民家を購入したので、今はそこで暮らしています。

⎯⎯⎯⎯ 古民家ですか?それは素敵ですね!

北奥:夫が陶芸家なのでそこに窯を備えました。私も布を使った作品をつくるときなどは自宅で作業しています。

シェア工房の共用スペース。

⎯⎯⎯⎯ このシェア工房のメンバーに加わりたい!と思ったら、どうすればいいですか?

北奥:これまでもメンバーの入れ替わりはあったので、今後も可能性はありますが、どなたでも歓迎するとは言い難いです(苦笑)。設備の利用方法を懇切丁寧に説明することはできないし、勝手に使って指を落とされても困るから、まずは設備の利用経験があったり、ちゃんと基礎を学んでおられたりすることが条件です。

⎯⎯⎯⎯ 見学や面談はいつでも可能なのでしょうか?

北奥:いいえ、それでは自分の仕事ができません(苦笑)。毎年10月の最終土・日曜に「飛騨の工房めぐり」というイベントをやっていて、ここのようなシェア工房だけでなく個人工房も含めて10箇所ぐらい同時に見学できます。その機会に来ていただければじっくりご案内します。私たちとの相性も大事ですから、それをきっかけに少し長いスパンでお付き合いいただければ・・・。

⎯⎯⎯⎯ 「飛騨の工房めぐり」とは面白そうな企画ですね!

北奥:飛騨高山は木製家具の名産地ですから、個人工房もたくさんあります。それらをまとめて見学することができる貴重な機会だと思います。

シェア工房「tek.to.studio」

制作機械を使わせてもらえるカフェ「ヒダクマ」

⎯⎯⎯⎯ シェア工房はここのほかにもあるのですか?

北奥:全てを把握しているわけではないのですが、4~5軒あるみたいです。最近、20代の作家さんたちがつくった「tek.to studio」というシェア工房とは少し交流させていただいているのですが、こちらはメンバーも募集しているみたいですよ(※注:2022年1月現在)。

⎯⎯⎯⎯ ほかはどうでしょう?

北奥:シェア工房ではないのですが、「飛騨古川」駅の近くに「ヒダクマ」というカフェがあって、そこでは飛騨の木材を使った家具の制作だとか、組木の技術を学べるイベントなどをやっておられます。3Dの制作機械なども利用できるので、私もたまに伺ってます。

⎯⎯⎯⎯ さすが飛騨高山だけあって工房や施設がたくさんあるのですね。

北奥:高山市は面積が日本一広い市で、東京都より広いんです。でも人口が少ないので、知り合いがとても多い街です(笑)。だから木材のこと、技術のことを教えてくださる方と出会いやすいというのも魅力のひとつです。

⎯⎯⎯⎯ 最後に、工房を自分で見つけたいという方はどうしたらいいか、何かアドバイスをしていただけませんか?

北奥:不動産屋さんで情報を得ようとしてもなかなか難しいと思います。私たちのところには、家具職人さんが廃業しようとされるとき、「設備の購入を検討してほしい」と言ってこられます。そのとき工房はどうされるのかな?と思うことがありますよ。

⎯⎯⎯⎯ ということは、飛騨高山の地に腰を据えて活動をしていると、そういう情報も得られるようになるかもしれないのですね。

北奥:私も東京藝大を卒業後、高山の木工会社に就職し、仕事の傍ら自分の作品づくりを続けました。おかげでこのシェア工房の仲間にも入れていただけて、本当によかったと思っています。

飛騨高山の賃貸不動産事情

株式会社洞口不動産の白栗美香さん

さて、ここまでは飛騨高山の工房情報をお届けしましたが、この地に腰を据えて作品制作に取り組もうと考えたら住まいも確保する必要があります。
そこで今回は高山市に根差して営業をしている株式会社洞口不動産を訪ね、不動産部店長の白栗美香(はくぐり・みか)さんに飛騨高山の賃貸不動産事情をお聞きしてまいりました。

洞口不動産は2002年に設立され、現在、住宅建築部門においては飛騨地区で着工棟数No.1を誇る会社です。自社で賃貸マンション・アパートも400室以上保有しておられ、2016年以降は飲食店、ゴルフ練習場、ホテル事業もスタートされています。

白栗さんは自社所有物件の管理を行うほか、売買・賃貸の仲介業務も担当。多忙な毎日を送っておられますが、「アトリエ賃貸推進プロジェクト」のために時間を割いてくださいました。

白栗さんに飛騨高山の賃貸不動産事情を伺う

⎯⎯⎯⎯ 最近では東京都内でもお部屋の空きが目立ちますが、高山市も似たような感じですか?

白栗:それが全く違うんです。高山市内は賃貸物件の供給数と賃貸住まいをしている人の数がほぼ同じで、どの不動産会社も稼働率は97~98%程度ととても高いです。そのため、せっかく来られても空きがないことがありますから、早めに探し始めたほうがいいです。

⎯⎯⎯⎯ なぜそんなに稼働率が高いのでしょう? 高山は大ヒット映画『君の名は。』の舞台にもなりましたが、それで一気に入居者が押し寄せたとか?

白栗:いいえ、そうじゃないと思います(笑)。高山市外の不動産投資家が新築したり、中古アパートを購入したりしようとしても、なかなか融資が受けられないので、供給がどんどん増えるということがないからだと思います。

⎯⎯⎯⎯ なるほど、そういう事情があるのですね。ところで高山駅周辺を歩いてみたのですが、観光の名所だけあって駅近くにはあまりマンションやアパートがないように見受けられました。

白栗:そうですね。高山駅をはじめ市内の駅の徒歩圏内には観光スポットや飲食店、土産店などが多く、賃貸物件は多くないです。住宅は駅から離れたところにあって、スーパーやドラッグストアなども車で行くところに多くあります。完全な車社会だから、車を持っていないと生活は不便です。

11DK(245.56㎡)で家賃54,000円というビックリ物件もある

⎯⎯⎯⎯ 単身者向け物件の面積や家賃相場はどんな感じですか?

白栗:単身者向けでも30㎡以上という物件が多いです。40㎡程度の2DKをひとりで借りている方が多くて、それでも家賃は5万円前後です。

⎯⎯⎯⎯ 僕は洞口不動産さんのサイトを見ていて、245.56㎡の11DKで家賃54,000円という物件を見つけてしまいました(※注:2021年11月時点)。

白栗:その物件は1966年築と古いこともあって、そういう家賃になっていますが、東京の方たちが見たらビックリされるような物件もけっこうあるかもしれませんね(笑)。

⎯⎯⎯⎯ はい、ビックリしました(笑)。敷金・礼金の相場はどれぐらいですか?

白栗:敷金2ヵ月、礼金1ヵ月という物件が多いですね。

⎯⎯⎯⎯ 都内では敷金1ヵ月、礼金は「なし」か1ヵ月というのが相場になってきているように思いますが、高山は需要と供給が一致しているから、それでも普通に決まるのでしょうね。

豪雪地帯なのでカーポートのある駐車場を希望される方が多い。

⎯⎯⎯⎯ 生活に車は必須ということですが、駐車場代はどうでしょうか?

白栗:駐車場代は4,000~5,000円というところが多いです。飛騨高山は豪雪地帯ですから、カーポートがあると大変喜ばれます。県外から赴任されてこられる方などは、雪に慣れていない分、恐怖感を持っておられることが多く、カーポート付き駐車場はお部屋の入居率にも直結します。

⎯⎯⎯⎯ カーポートのある駐車場がついている物件は大人気物件になるというわけですね。それなら大家さんたちは皆さんカーポートをつくればよいようなものですが・・・。

白栗:でも積雪対応のカーポートは2台分で約100万円も費用がかかるんです。これが8戸分、10戸分となってくると大変な出費になりますから、つくりたくてもつくれない大家さんが多いです。私の印象では市内物件の駐車場は40%ぐらいが「屋根あり」、60%ぐらいが「屋根なし」という感じです。

⎯⎯⎯⎯ 最後に、洞口不動産さんには工房を探しに来られる方がたくさんいますか?

白栗:はい、けっこう来られます。でもそういう物件の情報はあまり入ってこなくて、お世話できず残念に思っています。今回、ワクワク賃貸さんからシェア工房の話も伺えたので、少しずつネットワークを構築していけたらいいなと思います。

古民家専門の不動産会社も!

白栗不動産のオフィス

飛騨高山のシェア工房と賃貸不動産市場をご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
Vol.010でご紹介したアンケート調査結果で、立体作品を手掛ける美術作家にはシェアアトリエを自分でつくりたいという方が多くおられたことを報告しましたが、飛騨高山に限らず、都心から少し離れたところで共同の工房を設けることも理想のアトリエを手に入れるひとつの方法だと思います。
実は北奥さんもJIANのアンケート調査に協力くださっていて、現在のシェアアトリエに満足している理由として「家具の産地なので木工するには快適です(機械屋さん、研磨屋さん、素材屋さん、教えてくれる爺ちゃん職人、いい感じに仕事をくれるor外注できる同業他社が揃ってる)」と回答くださっていました。
理想のアトリエ・工房を手に入れる方法はいくつもあると思いますが、この方法も視野に入れて検討してみていただきたいと思います。

さて、最後に余談をひとつ。
本文で北奥さんが最近、古民家を買って陶芸家のご主人と一緒に暮らし始めたとお伝えしましたが、その家は古民家を専門とする地元の不動産屋「白栗不動産」で仲介していただいたそうです。
その「白栗不動産」が何と洞口不動産の白栗さんの叔父さんが経営していることが取材中にわかり、ビックリしました。縁というのは本当に不思議なものですね!
「自分も古民家を買って北奥夫妻のように暮らしてみたい!」と思われた方は、白栗不動産に是非お問い合わせください。

高山の観光名所「古い町並」

文:久保田大介

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久保田 大介

『ワクワク賃貸®』編集長。合同会社コンセプトエール・代表社員。有限会社PM工房社・代表取締役。 個性的なコンセプトを持った賃貸物件の新築やリノベーションのコンサルティングを柱に事業を展開している。 2018年1月より本ウェブマガジンの発行を開始。 夢はオーナーさん、入居者さん、管理会社のスタッフさんたちがしあわせな気持ちで関わっていけるコンセプト賃貸を日本中にたくさん誕生させていくこと。

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